販売停止になっていたフィレンツェカード、販売再開しました!(※フィレンツェカード+は未再開)
「フィレンツェカード」は、フィレンツェのほとんどすべての美術館や宮殿に、予約・行列なしで入場することのできるフリーパス。72時間有効で85ユーロと、それなりにお値段はしますが、使い方次第ではとても便利なカードなんです。
観光の滞在時間を効率的に使って、たくさんの美術館などを楽しみたいあなたは必見、その使い方・購入方法などのすべてを公認観光ガイドが徹底レクチャーします!!
最新の情報やイレギュラー対応など、詳細は公式サイトにてご確認ください。
小人・高齢者・団体など各種料金は公式サイトにてご確認ください。
目次
フィレンツェカード(プラス)、リスタートとは
フィレンツェカードには通常のタイプ「フィレンツェカード」と「フィレンツェカード+(プラス)」というタイプの2種類があります。
2023年1月現在、「フィレンツェカード+(プラス)」は販売を一時停止しています。
また、後で追加できるオプションとして「リスタート」というタイプが用意されています。
フィレンツェカードとは
対象58施設(美術館、宮殿、教会、ヴィッラなど)のフリーパスで、予約不要でいつでも好きな時に入場できるカードです(各施設1回ずつ)。
- ドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)およびその関連施設はフィレンツェカードがあっても優先入場はできません。
- ウフィツィ美術館・アカデミア美術館・ブランカッチ礼拝堂など、一部の施設はフィレンツェカードがあっても優先入場は予約必須(無料)です。また、第一日曜日や美術館週間を始めとする美術館の無料開放日は、ウフィツィ美術館等、優先入場を対象外とする施設もあります。
フィレンツェカード対象になる施設はこちら:地図で見る。
対象施設には最も有名なウフィツィ美術館、アカデミア美術館を始め、ピッティ宮殿やヴェッキオ宮殿、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、メディチ家のヴィッラ<別荘>など主要な観光名所がすべて含まれています。
カードは最初に入場した施設から72時間有効。
フィレンツェに2~3日滞在してたくさんの美術館をまわる場合はお得になる可能性大です!
価格は85ユーロ。滞在中、1~2つの美術館しか行かない、という場合は必要ないかもしれません。
Azu
フィレンツェカードプラスとは
2023年1月現在、販売一時停止中です。
「Firenze Card +(フィレンツェカードプラス)」は、通常のフィレンツェカードにプラス7ユーロで購入することができ、追加機能として以下がついてきます。
- 公共交通機関(Ataf社のバス、トラム)72時間乗り放題
- 対象美術館のガイド小冊子
- オリジナルバッグ
- パートナー企業利用時の割引あり
リスタートとは
2018年12月に新しく導入された制度で、フィレンツェカード(プラス)の有効期間72時間で見ることができなかった施設を、追加料金で訪ねることができるものです。
2023年1月現在、リスタートは無料オプションとして付加可能!
リスタートの購入金額は28ユーロ、有効時間はリスタートを使って初めていずれかの施設に入場した時から数えて48時間。
フィレンツェカードの有効時間を終えてすぐに利用することもできるし、数か月後など時間を置いてから使うこともできます。ただし、後者の場合、最初にフィレンツェカード(プラス)を購入してから12か月以内であることが条件。
また、最初に購入したのがフィレンツェカードであっても、リスタート購入時にフィレンツェカードプラスの機能を追加することもできます。
- オンラインでのみ購入・利用が可能
- 最初にフィレンツェカード(プラス)を購入したときから12か月以内に利用可能
- 最初のフィレンツェカード(プラス)の有効時間終了後、購入可能(予め追加購入しておくことはできません)
- 利用にはiOS(ver.10.0以降)またはAndroido(ver 5.0以降)搭載のスマートフォンやタブレットが必要
- 最初のフィレンツェカード(プラス)のナンバーに加え、オンラインで購入した場合は購入時のメールアドレス・現地で直接購入した場合は購入した日付が必要(日付が不明な場合はメールにて info@firenzecard.it へ問い合わせ )
- 一度、フィレンツェカード(またはプラス)を使って入場した施設にもう一度入ることはできません
フィレンツェカードの購入方法
現地で購入
Azu
フィレンツェカードを現地購入できる場所
以下のいずれかの窓口にて、(身分証明書とともに)購入することができます。
*最近はあまり身分証明書の提示を求められませんが、一応、ルール上は必要なことになっています。
【購入窓口】
- サンタ・マリア・ノヴェッラ教会チケット売り場
- ムゼオ・ノヴェチェントチケット売り場
- ピッティ宮殿チケット売り場 ※フィレンツェカードプラス購入不可
- 駅前ツーリスト・インフォメーション
- カヴール通りツーリスト・インフォメーション
- ヴェッキオ宮殿チケット売り場
- ステファノ・バルディーニ美術館チケット売り場
- ブランカッチ礼拝堂(サンタ・マリア・デル・カルミネ教会)チケット売り場
- バルジェッロ国立博物館チケット売り場 ※フィレンツェカードプラス購入不可
- ウフィツィ美術館前売りチケット売り場(2番)※予約引き換え窓口(3番)とは違うので注意! ※フィレンツェカードプラス購入不可
- ストロッツィ宮殿チケット売り場 ※フィレンツェカードプラス購入不可
- ミゼリコルディア美術館チケット売り場
営業時間等は公式サイトのそれぞれの引き換え場所リンクをご参照ください。
有効期間の72時間は購入した瞬間ではなく、最初の施設に入場した時からカウントして72時間有効です。
オンライン購入
バウチャーと引き換える方法
オンラインで購入した場合、当日は引き換え窓口でバウチャーを提示してカードの現物と引き換えます。
フィレンツェカード公式サイトの購入ページより、必要事項を記入し、支払いを済ませると、バウチャーがEメールで送られてきますので、それを印刷して以下の引き換え窓口のいずれかに行きます。
【引き換え窓口】
- 駅前ツーリスト・インフォメーション
- アメリゴ・ヴェスプッチ(ペレトラ)空港1Fツーリスト・インフォメーション
- カヴール通りツーリスト・インフォメーション
- ヴェッキオ宮殿チケット売り場
- ステファノ・バルディーニ美術館
- ブランカッチ礼拝堂(サンタ・マリア・デル・カルミネ教会)
- ビガッロ・ツーリスト・インフォメーション
- ストロッツィ宮殿チケット売り場
- ミゼリコルディア美術館チケット売り場
チケットは引き換えた瞬間ではなく、最初の施設に入場したときからカウントして72時間有効です。
アプリで使う方法
iPhone・Androidそれぞれに対応する専用アプリが用意されているので、そちらをインストール(Itunes, Google Play)して使うこともできます。
アプリを利用する場合はアプリをダウンロード後、バウチャーに記載してある13桁のコードを入力します。
- オンライン購入後、アプリは使用可能。アプリからフィレンツェカードを購入することはできません
- アプリは一度アンインストールしてしまうと無効となり、返金もありません。
子ども料金ほか、購入・利用する際の注意点
子ども料金
18歳未満のお子様は、フィレンツェカード保持者の親御さん同伴の場合、対象施設に無料で入場できます(事前登録要。現地購入の際はその場で登録手続きをしてくれます)。そのため、お子様の分のフィレンツェカードを買う必要はありません。
ウフィツィ美術館等、フィレンツェカードがあっても予約が必要な施設については、お子様分の予約も必要です。
シニア割引
シニア割引はありません。
障がい者割引
フィレンツェカード自体には、割引料金はありません。
ただ、ハンディキャップをお持ちの方とその同伴者(1名)は多くの施設でもともと入場無料です。
障がいがあることを証明するもの(日本語のみ記載のものでは確認できない可能性があります。詳細は各施設にご確認ください)を係員に提示すると専用入り口に案内されます。
※優先入場するためには予約料金の支払いが必要
その他の注意点
- カードをオンライン購入した場合、引き換え有効期限は6か月以内です。それを過ぎると未使用でも一切の払い戻しはありません。
- カード購入・引き換え後に盗難・紛失があっても保証はありません。カードが機能しなかった場合のみ交換可能です。
- カード購入後、14日以内であれば払戻可能です。この期間を過ぎると払い戻しは一切不可です。また払戻期間内であっても、いずれかの施設で1度でも使用した場合は払戻できません。
その他の不明点や詳しい情報は公式サイトへ!
フィレンツェカードの使い方
フィレンツェカードを入手したら、いざ観光に出発!!
対象となる58の施設には、赤い目印が立っていますので、そのエリアに行って係りの人にフィレンツェカードを提示すると、案内してくれます。
たいていはチケット売り場または入り口で係りの人にフィレンツェカードを手渡すと、専用の小さな機械(カード払いするときのような機械)にフィレンツェカードを読み取らせ、レシートのような控えをくれますので、それが入場チケットになります。
アプリ利用の場合は対象施設の画面を開いて提示します。
ただし、以下3つの施設については例外で、フィレンツェカードを持って直接入場口へ行ってもすんなりとは入場できません。
ドゥオモ・クーポラの場合
大聖堂およびドゥオモ関連施設(ジョットの鐘楼/サン・ジョヴァンニ洗礼堂/サンタ・レパラータ教会遺構/ドゥオモ付属博物館)はフィレンツェカードで入場することはできません。
- ドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)は入場無料です。また、フィレンツェカードによる優先入場権はありません。通常の入場口から並んで入場します。
- その他のドゥオモ関連施設(サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼、ドゥオモ付属博物館)は共通チケットが必要です。
ウフィツィ美術館の場合
以下いずれかの方法で予約No.を手に入れなければ、優先入場することはできません。
- コールセンターに電話する。
Firenze Museiコールセンター
tel.055 294883(月-金 8.30-18.30, 土 8.30-18.00, 日祝 9.00-18.00) - 現地購入時にその場で予約を依頼(ウフィツィ美術館・バルジェッロ美術館・ピッティ宮殿で購入した場合に限る)
- 現地購入後、カード提示の上、以下の場所で予約を依頼
- ・オルサンミケーレ教会チケット売り場(Via dei Calzaiuoli / 月・水-金 9.00-16.00; 火・土 9.00-17.00; 日祝休)
・アカデミア美術館チケット売り場(via Ricasoli n.105/r / 火-日 8.15-17.30; 月休)
・ウフィツィ美術館チケット売り場(2番または3番窓口 / 火-日 8.15-17.30; 月休)
また、18歳未満の方は入場料が無料ですが、予約No.がないと優先入場はできません。
ちなみに、優先入場のための予約は必須ではありますが、フィレンツェカード保持者のための予約枠は確保されていますので、現地に来てみて予約が取れないということはありません。また、予約No.を持っていない場合でも「優先入場」ができないだけ(予約なしの人と同じ列に並ぶ)で、フィレンツェカードにチケット料金は含まれています。
現地では予約者用のチケット引き換え窓口3番(Via Lambertesca, 2, 50122 Firenze)」へ行き、フィレンツェカードを提示の上予約No.を伝えて入場券を発行してもらいます。

ウフィツィ美術館チケット引き換え窓口(3番)
Via Lambertesca, 2
入場券を発行してもらったあとは、美術館入り口へ。1番入り口です。
ここを入ると、セキュリティチェックを通過し、順路に沿って3階入り口へ(ウフィツィ美術館は3階からルートが始まります)。
ウフィツィ美術館は、まれに出るときにもチケットを見せるよう言われることがありますので、最後まで捨てず、失くさずに持っておきましょう。
アカデミア美術館の場合
上記ウフィツィ美術館と同じく、以下いずれかの方法で予約No.を手に入れなければ、優先入場することはできません。
- コールセンターに電話する。
Firenze Museiコールセンター
tel.055 294883(月-金 8.30-18.30, 土 8.30-18.00, 日祝 9.00-18.00) - 現地購入時にその場で予約を依頼(ウフィツィ美術館・バルジェッロ美術館・ピッティ宮殿で購入した場合に限る)
- 現地購入後、カード提示の上、以下の場所で予約を依頼
- ・オルサンミケーレ教会チケット売り場(Via dei Calzaiuoli / 月・水-金 9.00-16.00; 火・土 9.00-17.00; 日祝休)
・アカデミア美術館チケット売り場(via Ricasoli n.105/r / 火-日 8.15-17.30; 月休)
・ウフィツィ美術館チケット売り場(2番または3番窓口 / 火-日 8.15-17.30; 月休)
また、18歳未満の方は入場料が無料ですが、予約No.がないと優先入場はできません。
現地では予約者用のチケット引き換え窓口「My Accademia(Via Ricasoli, 105, 50122 Firenze)」へ行き、フィレンツェカードを提示の上予約No.を伝えて入場券を発行してもらいます。

アカデミア美術館予約者用チケット引き換え窓口 Via dei Ricasoli, 105r
入場券を受け取ったら、次は個人予約者用入り口(ENTRANCE RESERVED)へ。チケット引き換え窓口の向かい当たりで、先頭の人は「RED POINT」と書かれた小さな看板があるところから並んでいます。


建物へ入った後、セキュリティチェックを通過したところの入り口に係員がいますので、そこでチケット(レシートのような)を発行してもらいます。
あとは順路に沿って見学を開始しましょう!
入り口を入って右の廊下を行くと楽器コレクション、
アカデミア美術館で出会える音楽史。ピアノの発明はフィレンツェだった!
左に行くとダヴィデ像です。
フィレンツェのシンボル、ミケランジェロ作ダヴィデ像【前編】基本プロフィールを解説!
フィレンツェカードは買うべき?
フィレンツェカードは72時間・多くの著名な施設で有効とはいえ、85ユーロと決して安くはない金額のカードです。
では、果たして買うべきなのでしょうか?
それは、観光の仕方によって答えが変わります。
お得な場合:ハイシーズンかつ5施設以上見学する場合
例えば、人気の観光名所のうち、以下の3か所をまわるだけでも、予約した場合のコストはこうなります(2023年1月現在/大人1名当たり)。
- ウフィツィ美術館とピッティ宮殿とボーボリ庭園のセット券:夏期38ユーロ/冬期18ユーロ
- アカデミア美術館:16ユーロ
→合計:夏期54ユーロ/冬期34ユーロ
もし、これに加えて仮に以下の美術館からいくつか行くとすると、コストはさらにこんな感じに(2023年1月現在/大人1名当たり/予約なし)。
- メディチ家礼拝堂:9ユーロ
- ヴェッキオ宮殿+アルノルフォの塔:25ユーロ
- サンタ・マリア・ノヴェッラ教会:7.5ユーロ
- サンタ・クローチェ教会:8ユーロ
- サン・マルコ美術館:8ユーロ
これらのすべてを行かなかったとしても、最初の3施設に追加して2~3か所(合計5~6施設)ぐらい行くとすると、入場料+予約料+手間+並ぶ時間を考えれば結構お得だと言えるのではないでしょうか。
Azu
お得じゃない場合:ローシーズンや以下の組み合わせの場合
11月半ば~2月半ばのローシーズンは、観光客の数は激減し、街中の人もかなり減る日が多いです(年末年始を除く)。
そんなときはフィレンツェカードのメリットである「優先入場」はあまり意味がありません。そもそもほとんど人が並んでいなくて予約を取らなくてもさっと入れてしまう日すらあります。
また、ローシーズンはチケット料金が安くなるところもあります。さきほどと同じ組み合わせでも冬季の場合、フィレンツェカードを買うよりも個別にチケットを買った方がお得になります(2023年1月現在/大人1名当たり/予約なし)。
- ウフィツィ美術館とピッティ宮殿とボーボリ庭園のセット券:夏期38ユーロ/冬期18ユーロ
- アカデミア美術館:12ユーロ
→合計:夏期54ユーロ/冬期34ユーロ
特にローシーズンでチケット料金だけで元を取ろうとすると、あと50ユーロほどなのでプラス4~5か所ほどの場所を追加することになりますが、特に最初の3つはいずれも規模の大きな美術館なので、3日の滞在で合計8か所を見学するとなると結構ハードなスケジュールになってきます。
とはいえ、この想定は予約しない場合ですので、万一、実際に行ってみたら入場のための行列になっていた…など、時間をロスしてしまう可能性はなくもないですね。
Azu
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