イタリア旅行と言えば楽しみの一つは食事!日本と同じくらい、もしくはそれ以上に食へのこだわりの多い国なので、各地で名物が待ち受けています。
フィレンツェならTボーンステーキ、ミラノなら仔牛のカツレツ、ヴェネツィアは魚介類、ローマはカルボナーラにカチョ・エ・ペペ…、どの街に行っても食べることが楽しみでーす
イタリアンは好きだし、日本でもよく行くけど、本場のレストランも同じような感じなのかな…?どうやって注文するのか、シェアしてもいいのかとか、…ちょっと気になる!
慣れない国でのレストラン利用、メニューを見てもお作法がよくわからなくて戸惑うこともありますよね。ということで、イタリア旅行中にレストランを利用するときの注文をどうするか、チップやお食事マナーなど気になることをまとめました!
目次
イタリアのレストラン、メニューの構成はこんな感じ
レストランのメニューは、ジャンルごとにいくつかのブロックに分かれています。
代表的なのは次の分類。ここからいくつか希望のものを選んで注文します。
- Antipasti/アンティパスティ(前菜)
- Primi Piatti/プリミ・ピアッティ(パスタやリゾットなどの炭水化物系)
- Secondi Piatti/セコンディ・ピアッティ(お肉やお魚などのメイン)
- Insalata e Contorni/インサラータ・エ・コントルニ(サラダや付け合わせ)
- Dolci/ドルチ(デザート)
- Vini e bevande/ヴィーニ・エ・ベヴァンデ(ワインと飲み物)
それでは、どんなものが含まれるのか見てみましょう!
Antipasti/アンティパスティ(前菜)
AntipastiまたはAntipastoは、「前菜」のこと。
定番は生ハムやサラミの盛り合わせ、チーズの盛り合わせ、カプレーゼ(トマトとモッツァレラチーズ)などでーす
またフィレンツェではこの他にCrostini Toscani(鶏のレバーのペーストをのせたバゲットの薄切り)やBruschetta(バゲットの薄切りをトーストしてトマトとパセリをオリーブオイルで和えたものをのせたもの)も郷土料理としてよく出てきます。
うぅーんどれも魅力的…♡
迷ったら、大体「Misto」という各種前菜の載った盛り合わせが用意してありますので、それにしましょう!
Primi Piatti/プリミ・ピアッティ(パスタやリゾットなど)
Primo PiattoまたはPirimi Piattiは、「第一の皿」という意味で、パスタやリゾットなどの炭水化物のお料理を指します。
ちなみにスープもこのジャンルに入ります。と、言っても、イタリアのスープは日本のような液体メインではないことが多いです。
特にフィレンツェの名物は、古くなったパンをくたくたになるまで野菜と一緒に煮込んだスープです。入る野菜によって名前が変わりますが、夏の名物がトマトメインのPappa al pomodoro、冬の名物が黒キャベツメインのRibollitaです。
ちなみに、リゾットは大体、注文してから提供されるまでに時間がかかりますのでご注意を!
おぉ…、覚えとかないと…。海外行ってしばらくするとお米が食べたくなったりするんだよねー
早い順に、手打ちパスタ(home madeやfreshなど)→普通のパスタ→リゾットでーす
Secondi Piatti/セコンディ・ピアッティ(お肉やお魚など)
Secondo PiattoまたはSecondi Piattiは「第二の皿」という意味で、お肉料理やお魚料理などのいわゆるメイン料理です。
メニューによっては同じお皿に付け合わせが載ってくることもありますが、通常、そのお料理だけがどんっと盛られてきます。サラダや付け合わせがほしければ、別注文となります。
Insalata e contorni/インサラータ・エ・コントルニ(サラダや付け合わせなど)
Insalataはサラダのことで、そのコーナーがあったら4~5種類あることもあります。たいてい、サラダの名前の近くに何が入っているかの解説があるので、それを参考に選びましょう。
付け合わせは野菜のグリル/オーブン焼きやポテトのロースト、豆の煮込みなど。小さめのお皿で出てきます。
付け合わせと別コーナーにあるInsalataは、大きいサイズでーす!付け合わせ的感覚でいくと2~3人分あってびっくりしまーす
ちなみにサラダはすでに味付けがしてあるか、テーブルにあるオリーブオイル、塩、バルサミコ酢で好みの味に調整します。『ドレッシング』はあまり一般的ではないので、置いているお店はほぼありません。
Dolci e caffè/ドルチ・エ・カッフェ(デザートとコーヒー)
DolceまたはDolciはデザートのこと。定番はティラミス、パンナコッタ、チーズケーキ、クリームブリュレなどですが、季節ごと・地域ごとの名物もあってお店の個性が出ています。
スイーツ好きならしっかり味わいたいところですね!ちなみにフィレンツェのレストランなら必ずあるのが、「Cantucci con vin santo」。アーモンドの入ったビスケットと甘いワインのセットです。
フィレンツェ土産のビスコッティ「カントゥッチ」とヴィン・サント、フィレンツェグルメのデザートにおすすめ♪特に注文がない場合でも、「Caffè?」と聞かれることがあります。特に指定しなければエスプレッソが出てきます。エスプレッソは苦手…という場合はアメリカンなど他のものを。
メニューは特に出て来ません。ので、知っているものを注文…笑
ただ、カプチーノやカフェラッテなど牛乳を使うものは、対応してくれるお店とそうでないお店があります。
ちなみにカプチーノは、イタリア人にとっては朝食と一緒に飲むものでーす
午後に頼んでも出してはくれます(たぶん)が、「観光客だな…」という表情で苦笑いされたり、「ほんとに?本当に飲むの?」と聞かれたり(冗談ですよ!)するかも。
コーヒーは要らないなら要らないで大丈夫です!
Vini e bevande/ヴィーニ・エ・ベヴァンデ(ワインと飲み物)
美味しいイタリア料理には地元のワインが本当によく合います!ので、ぜひグラス一杯でも合わせて楽しんでいただきたいところ…ですが、体質的に飲めない…という場合もありますので、もちろん義務ではありません。
でも、一般的にはノンアルコールドリンクやソフトドリンクなど、何か頼んだほうがいいかな、という感じです。とは言っても(特にランチなら)お水だけ注文でも嫌な顔をされるというほどではありません。
イタリアワインの格付けDOCGとDOP、 キャンティとキャンティクラシコの違いとは。番外編:ピッツァはピッツェリアで…
イタリア料理といえば…ピザは?メニューにはないのかな?
そうですね、「イタリア料理」といえばパスタとピッツァ!というイメージが強いかもしれません。
でも、ピッツァは実は普通のトラットリア、リストランテといったレストランでは置いていないことも多いです。また、メニューの中に記載があっても夜しかやっていませんというお店もあったりします。
ピッツァは職人(Pizzaiolo)が作るものが美味しいので、Pizzeria(ピザレストラン)に行きまーす
また、ピッツァはそれ一枚で完結する軽い食事といった感じで、上のパスタやお肉料理と組み合わせて食べるのはレアケースかも…
なので、ピッツァをぜひ食べたい!という場合は、一回の食事をピッツァにする感じがいいかもしれません。もちろん、メニューにあるレストランだったら頼んでもおかしくないですよ!
ナポリ風、ローマ風、…ピッツァの種類は思いのほかたくさんあった!イタリアのレストランで注文してみよう!
席に着いたら
「お水はガス入り?ガスなし?」
さて、お店に入って席に案内してもらい、メニューをもらいました!
まず最初に、「Acqua?」と聞かれます。これは、ガス入りかガスなしかの確認ですので、お好みで以下どちらかを答えましょう。
- Naturale(ナトゥラーレ)/senza gas(センツァ・ガス):ガスなし
- Frizzante(フリッツァンテ)/Gassata(ガッサータ)/con gas(コン・ガス):ガス入り
- どちらもほしい!というときはUna e Una(ウナ・エ・ウナ):一本ずつ
なお、お水は有料で、会計時に頼んだ本数が加算されています。レストランでの相場は3ユーロ前後です。
パンは勝手に出て来る
また、パンはたいてい自動的に出てきます。食べても食べなくても料金は変わらず、普通おかわりしても追加料金は取られません。
注文の仕方は自由に!
メニューを開いたら、好きなメニューを選びましょう!
この段階でオーダーするのは飲み物とデザートの手前まででーす
頃合いを見計らってウエイターさんが来ますが、まだだったら「まだ決まっていません」「もう少し…」と答えておきましょう。
さて、注文の仕方ですが、上でご紹介したとおり、色々なコーナーがあるので、こう思っちゃうかもしれません…!
前菜、パスタ、メインに付け合わせ…!?そんなにたくさん食べられない…
大丈夫!!イタリア人でもそんなにフルコースで頼む人はほとんどいませんのでご安心を!
よくある組み合わせは、こんな感じ。
- 前菜+プリモ1品ずつ
- 前菜+セコンド1品ずつ
- プリモまたはセコンド+付け合わせ1品ずつ
前菜は盛り合わせをお願いして、何人かでシェアするというのもよくあります。
もし、どうしても量的に厳しかったら、プリモだけ/セコンドだけの注文でも大丈夫ですよ。でも、マナー的に、二人で来店しているのに一皿だけ頼んでシェアする、というのはやめましょうね。あと、一品だけの注文は、お店的には歓迎のお客さんではないことを頭に入れて、飲み物を注文するとか、早めに退店するとか、ちょっと気遣いができるとなおベターです。
アレルギーがある場合は、オーダーするときにきちんと伝えましょう!
ドルチェは別腹
デザートは、普通は食事が終わったタイミングで「ドルチェとコーヒー、どうしますか?」と声をかけられます。
ここは余裕があればぜひ、そうでなければなしでOKです。
チップにお食事マナー…気をつけるべきルールは?
お食事のときのマナー
普通のトラットリアでお食事するときは、基本的には日本で外食するときと同じようなマナーに気を付ければ大丈夫です。ただ、いくつかのルールは日本では問題にならなくてもイタリアでは絶対にやってはいけないものなので、ちょっと気を付けましょう!
パスタは”絶対に”すすらない!!
これは普段、麺類を食べることが多い人は特に気を付けたいところです。パスタの中でもスパゲティ、タリアテッレなどの長いタイプのもの、うっかりすすってしまう…かもしれません。
イタリアだけでなく、他のヨーロッパの国でも食事の際に音を立てるのはタブーとされている国は結構あって、周りのお客さんからとても厳しい目を向けられます。
ぜひぜひしっかりこの点は気を付けましょう!!
ちなみに長いパスタを食べるときもスプーンは使いませーん
長いパスタはフォークだけで綺麗に巻き取って食べます。スプーンは、一般的にフォークがまだうまく使えない子どもが使います。
シェアはOK、でも…
伝統的にイタリア人は各自が好きなものを注文し、シェアする文化ではありませーん
※『前菜の盛り合わせ』除く。
でも、特にフィレンツェやヴェネツィア、ローマなど観光客が多い都市部では、最近はそういうオーダーが増えてきたのか、かなり気軽に対応してもらることが多いです。
シェアしたいときは、最初の注文の時点で「分けて食べたいんですが」と申し出ると、取り分け用の小皿を持って来てくれます。
といってもこれはトラットリアクラスのお話。星付きリストランテとか、ちょっとエレガントなお店の場合は、シェアは避けた方が無難です…
サービスの要求はそこそこに
日本のイタリアンレストランのように、お料理ごとに取り分け用の小皿の取り換えをお願いするのはちょっとやめておいた方がいいかも…。シェア希望に対応してくれるのはあくまでも善意のサービスですから、当然のように次の小皿をくださいというのはあまり感じよく思われないでしょう。無数に洗い物が増えますし、サービスの回数も増えますからね!
それから、小皿は持って来てくれるけど、取り分け用のスプーンやフォークはないというパターンもあります。言えば持って来てくれることが多いですが、時には怪訝な顔をされることも…
イタリア人は前菜盛り合わせなどでシェアするときも、取り分けは各自のフォークやナイフを使いまーす
人数分以下のお料理数でオーダーはやめよう
シェアするにしても人数分以下のお料理の数はやめましょう。例えば、4人で行くのに3つしか注文しないのは失礼です。日本でも、ラーメン屋さんに4人で行って、3つしかラーメンを頼まない…ってちょっとよくないですよね。
シェアを希望して追加料金を請求された事例も
これは最近、リグーリア州(州都:ジェノヴァ)で起きた事例ですが、取り分け用の小皿を請求したところ、2ユーロの追加料金が請求されたというものです。
お客さん側の言い分としては
3歳の娘に味見をさせてあげるために小皿を頼んだら、2ユーロ取られた!席料だって払ってるのにあり得ない!!
お店側の言い分としては
大人2名と子ども1名で来店して、4名席に案内した。でも注文内容はパスタ一つとアンチョビのフライ一つ。併せて一人前程度しか頼んでないのに、さらに取り分け用って言って小皿をそれぞれに1枚ずつ(合計2枚)要求された。うちは小さな店でテラス席は4つしかテーブルがないのに、場所はしっかり取ってサービスも要求するのに注文は少ないんだから、小皿分ぐらいもらわないと売り上げにならない!
という感じ。まぁ、この話を聞いたほとんどのイタリア人の反応は「だからと言って小皿分請求するのはねぇ…」という感じではありますが、レストランの方も各種経費も上がっている昨今ですから、そう言いたくなった気持ちはわかるかも。
いずれにしても、お客さんの方が偉いという文化ではないので、お互いに気遣いを忘れずに!
お店の人を呼びたいとき
お店の人を呼びたいときは、ウエイターさんが近くを通りかかって目が合うのを待ちます。
「すみませーん」と大きな声で呼んだりせず、目が合ったら、軽く手を挙げて合図しまーす
なかなか近くに来ない場合は、少々離れていてもじっと目が合うのを待って、同じように片手(または人差し指)を挙げて合図します。
イタリアのウエイターさんたちは、基本的には歩く際に各テーブルに目を配って移動していることが多いので、わりとすぐに気づいてくれますよ。
また、お店によっては担当の人が決まっていて、担当でない人に合図すると「すぐ係の者が来ます」と言われることもあります。
お会計のときは
お会計は原則テーブルで支払うお店が多いです。
お食事が終わって「お会計、お願いします」というと、レシートを持って来てくれます。クレジットカードで払いたかったら、「カードで」と伝えるとカードの機械を持って来てくれるか、レジにて支払うよう案内されます。
初歩イタリア語12選!旅行に役立つイタリア語、これだけ言えれば充実の旅間違いなし☆お会計には、注文したお料理や飲み物、お水の他に、copertaという席料が人数分加算されています。お店のランクによって金額は変わりますが、トラットリアクラスなら2.5~4ユーロぐらいが一般的です。
チップはお気持ち
イタリアはチップ文化ではないので、チップを払わなかったからといって特に失礼にはなりません。
でも、もちろん払うと少額であってもとても喜んでくれます。美味しかったな、というときや色々対応してもらったな、と思ったらぜひ払ってあげましょう!
金額はお会計の10%前後がいいと思いますが、テーブルに置くならお札でキリよく払うのがスマートです。例えばお会計が70ユーロで小銭と紙幣で7ユーロ…よりは、5ユーロまたは10ユーロが感じがいいのでは。もちろん、とても気に入ったならもっと払うのも全然問題なし!
むしろ嬉しくて満面の笑みになりまーす
払い方は、現金払いでお会計時に多めに払う(例えば合計が73ユーロで80ユーロ払う)、退店時にテーブルにそっと置いておくなど。
カード払いの場合、アメリカなどのように伝票に払いたい金額を書き込んで清算するというパターンもありますが、そのやり方は対応できないんですと言われたお店もありました
小さめの紙幣を多めに用意しておくと役立つかも!
ただし、お店によってはお会計のレシートに既にサービス料が入っていることがあります。その場合はよほどお料理やサービスが気に入ったのでぜひとも渡したい!という場合を除き、チップは不要です。
これでレストランでのお食事も準備万端ですね♪それでは、
Buon appetito!!(召し上がれ!)