フィレンツェを知る人なら、誰もがおススメする観光スポットでありながら、ちょっと街から離れているためにガイドブックでは少々扱いの小さいミケランジェロ広場。
フィレンツェ出身の巨匠の名を冠したこの広場からは、美しすぎる「花の都」の姿を一望できます。
『もし、時間があったら・・・』なんて、絶対にもったいない!!!
まずは、旅の初めにこの広場からの街の全体像を眺めることをおすすめします!!
目次
ミケランジェロ広場への行き方
ミケランジェロ広場は、フィレンツェの中心地ドゥオモやヴェッキオ宮殿から見ると南東の小高い丘、中心地からは約4km。
アクセスは、徒歩・バス・タクシー・車のいずれでも行けます。
バスで行く場合
バスは、Autolinee-Toscane(元ataf)社のバス12番(反時計回り)か13番(時計回り)で着きます。
個人的には、途中の道で今も残る城壁が見えたり、緑がいっぱいの別荘地を通る12番のルートがおすすめ。
所要時間は乗り場①「Stazione Scalette」から20~30分です。
バスの時刻表最新版:12番・13番[Autolinee-Toscane(元Ataf)社公式サイト]
※このコースは乗り場やルートがよく変更されるので、最新の乗り場は公式サイトでご確認ください。
バスのチケットは事前にatafのロゴの出ているTabacchi/タバッキ(タバコ屋さん)やバール、Autolinee-Toscane社のチケット売り場、各トラムの停留所の自動販売機でも購入できます。
フィレンツェでバスに乗ってみよう!バスの使いこなし方徹底ガイド♪バスに乗ってから運転手さんから買うこともできますが、もし在庫切れで買えなかった場合にチケット・コントロールが来てもそれは言い訳にならず、罰金が課されます…。
事前購入は1.5ユーロ、車内購入は2.5ユーロで90分間有効(乗り降り自由)です。
購入するときのイタリア語はこちら:
Un biglietto, per favore!:切符を一枚ください!
※2枚以上買う時は「Un」の部分を好きな数字に!
タクシーで行く場合
街中のタクシー乗り場まで行くか、ホテルに呼んでもらうといいでしょう。
交通状況にもよりますが、大体15~20ユーロぐらいで着きます。
タクシーをお願いするときのイタリア語はこちら:
Può chiamare un taxi? :タクシーを呼んでもらえますか?
※行き先:Piazzale Michelangelo
帰りは広場にタクシー乗り場がありますので、そこから乗ります。
夜などで待ってもあまり来そうにない場合は、電話で呼ぶことができます。
タクシー会社:Taxi Firenze +39 055 4242 / +39 055 4390
車で行く場合
広場には駐車場があります。現在有料となっていて、1時間1ユーロ。
車を停めたら、広場のすみっこにこのような精算機があるのでここでチケットを買って車内の見えるところに置きます。
広場への出入りはカーブの途中になっていますので、十分注意しましょう。
徒歩で行く場合
このルートに沿って歩いてみました。このルートの所要時間は大人の足で20分ぐらい。
空気と景色を楽しみながらスタート!
橋からずっとこんな感じで標識が出ているので、道に迷うこともありません。
万一、わからなければバールなどお店の人に「Piazzale Michelangelo?」と聞いて、あっち、と差された方に行けば大丈夫。
それに、この辺りには広場に向かう人がたくさんいるので、なんとなく人の流れを追っていけばきっと着く…はず。
この門(城壁跡)が出てきたら、ここから坂道スタート!頑張りましょう。
坂道を登ったら最後は階段。
階段は全部で210段(Azu調べ)。
最初は、山のお寺などに行くようなゆる~い階段です。
ルートの途中に休憩スポット
約50段ほど登ったところに、バラ園への入り口が。
ここは時期になると本当にきれいです!!特に5月がおすすめ。
敷地内には、フィレンツェ市の姉妹都市の京都市から贈られた、「松籟庭園」という日本庭園もあります。
入ってすぐのところにはJean-Michele Folonの現代アート作品。
この作品、遠目で見ると「なんでここに船??」てなるんですが、ちゃんと正面の位置で見るとこうなります。
なんと、ヴェッキオ宮殿のタワーの部分が、船の一部になる配置!
あと、こんなナイスガイ(?)と一緒に写真を撮れたりも。
階段に戻りまして、ラストスパートがちょっと苦しい、約100段。
ここは普通の幅の階段。無理せず、休み休み行きましょう。
階段自体は緑に囲まれているので、ゆったり上るととても気持ちのいい散策になりますよ。
日ごろの運動不足解消にピッタリかも!!
上りきったらいよいよ目的地、ミケランジェロ広場に到着です!!
広場からの眺め
広場に着くやいなや目に飛び込んでくる絶景!!
どこを撮ってもまるで絵葉書のような、切り取られたフィレンツェの街が美しすぎて息を飲むばかり。
スマホのカメラでも十分、綺麗な写真が。なんせ被写体がいいので!!笑
ベストショットが撮れるポイント見つけて、是非お気に入りの一枚を♡
フィレンツェの街の向こうに見える山の中腹には、フィエーゾレの街が。
ここは、はるか昔、古代ローマ人よりも前にこの地に来たエトルリア人が基盤を作った場所。
後にローマ人がトスカーナの拠点として使いました。
実はフィレンツェの街はその後にローマ軍の前線の宿営地として作られたのが始まり。だから、フィエーゾレはフィレンツェよりもさらに古い遺跡が残っているのよ
最初にこの広場を見たほうがいいとおススメした理由は、まずは全体像を眺めることで、これから行く観光地がより印象的になるからです!
確かに~。あ、さっき見たドゥオモに来たんだなーとか思うとちょっと嬉しいかも♡
ミケランジェロ広場は夜景もおすすめ
この高台からの景色、もちろん夜景バージョンだっておすすめです。
昼間の「花の都」そのものの、山と街と緑と川の調和のとれた美しい風景も素敵だし、こちらのちょっとシックな雰囲気の景色も格別。
夏場は特に日本よりもずっと日が長く、日没も少々遅めなので、早めの夕食を済ませてから、日が沈むマジックアワーを見に来るということもできますね!
ミケランジェロ広場の歴史
フィレンツェの街は、ヨーロッパの都市によく見られるように、19世紀まで城壁に囲まれていました。
ミケランジェロ広場の場所は、小高い丘の上で常に城壁の外側。
つまり、街の外からの攻撃に備え見張りを置くのにはうってつけの場所でした。
さて、イタリア王国が統一された(1861)後、フィレンツェが首都だった時代(1865~1871)を経て、街はどんどん近代化。
ジュゼッペ・ポッジ(Giuseppe Poggi)によってサン・ニッコロ門からロマーナ門までを結ぶViale Colliを整備する計画の一環として広場は1875年に整備されました。
この時まではフィレンツェの街は城壁で囲まれていたんだけど、このタイミングで大半が撤去されて、現在の姿になったのよ
広場の後ろに見える、現在カフェテリアとして営業しているロッジャ(La Loggia)は、本来ミケランジェロの作品を置くための美術館となる予定でした(※ロッジャとは、このようなアーチ型の開廊建物を指す一般名称)。
しかし計画は変更され、ロッジャはカフェテリアとなり、広場の中心に偉大なマエストロの最高傑作ダヴィデ像と、足元を囲む4体の彫刻が、それぞれブロンズでコピーが作られ設置されました。
足元の2組の彫刻のオリジナルはどちらもメディチ家礼拝堂で、ダヴィデ像オリジナルはアカデミア美術館で見ることができます。
ブロンズのこれらは屋外にあることもあって、正直なところ見た目にそれほど惹きつけられるものではありません。ダヴィデくんともども是非、オリジナルを見てください!!
その完成度、迫力に必ず圧倒されます!
実はこれも、広場を最初に観光することをおススメする理由のひとつ。オリジナルはそれだけ見ても、そのすごさは圧巻なんですが、コピーを見た後だと巨匠のすごさを肌で感じられるのです!
広場周辺の観光地
ミケランジェロ広場周辺には、次のような観光地があります。
サン・ミニアート・アル・モンテ教会
フィレンツェで最も古い教会のうちのひとつ、起源は3世紀頃までさかのぼります。
ここはフィレンツェ最初の殉教者にまつわる伝説が残された歴史ある教会。
サン・ミニアート・アル・モンテ教会の伝説、西暦250年の初殉教者のお話。てっぺんについている鷲は、この教会を改築するにあたって融資した、当時もっとも勢力の強かった組合の一つ、毛織物商人の組合(Arte di Calimala/アルテ・ディ・カリマーラ)のシンボル。実はサン・ジョヴァンニ洗礼堂にも融資しているので、ここも北側の扉の上にシンボルがあるんですよ。
実はよく見ると、この鷲の姿は、サン・ミニアート・アル・モンテ教会内部にもちょこちょこ登場するの。探してみてね♪
古い時代の典型的な教会で、地上階と2階、そして半地下になった地下祭室の3階建て構造になっています。
1階部分の中心には十二星座が描かれた円。これは現在も機能している、ヨーロッパ最古の日時計のうちの一つです。
この他にも見どころは見事な2階のキリスト像の天井モザイク、ポルトガル枢機卿の礼拝堂の聖ベルナルドの生涯のフレスコ画など、たくさんあります。
サン・サルヴァトーレ教会
ミケランジェロが「美しき田舎娘」と呼んだ素朴で美しい佇まいの教会。
『清貧』をモットーとするフランチェスコ会らしく、外も中も飾り気のない素朴な教会ですが、自分の中の対話・じっくり考え事をするのに最適!
ガリレオ通り / Viale Gallileo(ヴィアーレ・ガッリレオ)
バスや車でここを訪れるときに通る道ですが、映画「インフェルノ」でも出てきます。
序盤にラングドン教授がシエナ医師の家からボーボリ庭園へ車で移動するときの、あのシーン。
広場周辺の観光地をたっぷり楽しんだら、カフェテリアで小休憩して、いざ街なかの観光地へGO!ヾ(≧▽≦)ノ