イタリアは「サマータイム（夏時間）」を取り入れていますので、日本との時差が年に2回変更になります。

 

 

ということで、「サマータイム」はいつからいつまでなのか、何に気を付ければいいのか、メリットとデメリットは？など、サマータイムについての色々をまとめてみました！

サマータイムとは

サマータイムって、どんなものですか？

 

 

というわけで、もう少し詳しく…

 

日本語で「夏時間」

サマータイムは日本語だと「夏時間」。夏の間に利用するものだなーくらいのことしかわかりませんが…

 

アメリカでは、サマータイムはデイライトセービングタイム（DST）と呼ばれ、日の長い夏の間、時間を１時間進めて日光を使って電気を節約しようということで、3月の第2日曜日から11月の第1 日曜日までをサマータイムにしています。ヨーロッパでも、サマータイムが実施されており、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までがサマータイムの期間になっています。ヨーロッパでは、Central European Summer Time というようにサマータイムと呼ばれています。

（Time-j.net 世界時計 – 世界の時間と時差より）

 

アメリカの「デイライトセービングタイム」は（名前長いけど）日中の光を有効利用、という目的がはっきりわかって、「サマータイム」よりいいかもしれませんね。ちなみにイタリアでは「ora solare（太陽の時間）」という呼び方があります。

 

同サイトによると、現在サマータイムを実施しているのは61か国あるそうです。

 

日本とイタリアの時差

イタリアでは3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までをサマータイムとしていますので、日本とイタリアの時差は、以下のようになります。

 

 

（参考）

	サマータイム適用期間	サマータイム適用外期間
2018年	3月25日～10月28日	10月28日～2019年3月31日
2019年	3月31日～10月27日	10月27日～2020年3月29日
2020年	3月29日～10月25日	10月25日～2021年3月28日

 

実際の運用としては、サマータイムが終わる日、つまり10月の最終日曜日の午前3時に時計の針を一時間戻すことになります。

 

というわけで、この切り替えの基準日は一時間増えた状態に。

 

実際にきっちり午前3時に時計の針を操作することはあまりなく、前日の夜か翌日起きてから時計は調節します。

 

 

※サマータイムが始まるときは、同じようにその日の午前2時に時計が一時間進んで3時になります。

 

日本で導入される！？

実は過去に導入されていた

実はあまり知られていませんが、日本においてもかつてサマータイムが実施されていたことがあります。

 

それは、第二次世界大戦後の4年間のこと。

 

日本において夏時間は、第二次世界大戦敗北後の連合国軍占領期にGHQ指導下で公的に導入され、1948年（昭和23年）4月28日に公布された夏時刻法に基づき、同年5月2日の午前0時から9月11日にかけて初めて実施された。
…（中略）…残業増加や寝不足を引き起こすなどとして不評を呼び、1951年（昭和26年）度はサンフランシスコ講和条約が締結された第2金曜日の9月7日で打ち切られ、翌1952年（昭和27年）4月27日の占領終了と同月28日の条約発効による日本の主権回復に先立ち、夏時刻法は同年4月11日に廃止された。
-Wikipedia「夏時間」より

 

日照時間が欧米に比べて長くはない日本ではあまり導入のメリットはなかったんですね。

 

2020東京オリンピック

2020年に開催される東京オリンピックを前に、サマータイムを導入してはどうかという議論が行われました。

 

参考
サマータイム、首相が自民に検討指示　五輪暑さ対策で日本経済新聞

 

目的は、サマータイムを導入して1時間～2時間の時間の前倒しをすることで、日の高くなる前に競技時間が終了できる…というもの。

 

2018年の日本の夏は本当に酷暑で、犠牲になった方もたくさんいらっしゃいました。

 

 

 

そのような事情を背景に、選手たちに負担がかからないように少しでも涼しい時間帯に競技を行おう、という目的で提出されたアイデアですが…

 

そのニュースが伝えられてからの世間の反応は

 

意見①

#サマータイム反対

システム対応の影響度がどんなもんかというと
・日本全国のコンピューター全部に影響
・みずほレベルの障害が全金融機関で起きる可能性
・全業界の全システムの見直しが必要
・対応期間は1年、1年間で日本の全システムに対応するのは…
・で、誰がその費用を払うの？

— 書記長@9/30えぬほら (@shokicho_s) 2018年8月6日

意見②

は？待って？サマータイム冷静に考えてみたらさ、導入されたらスーパー規則正しく生きてる幼児を2時間早く叩き起こし保育園に連れていき、2時間早く寝かせるんでしょ？いやーー簡単に言ってくれるわーーー🔪🔪仕事になんねぇな。

— きよ耳 (@kiyomimi) 2018年8月7日

意見③

サマータイム。首相は「仕事を終えた後、レジャーや買い物の時間が増えることなどによる経済効果」に「着目」しているのだという。読売新聞。
残業が増えるだけでしょう。

— 上丸洋一 (@jomaruyan) 2018年8月7日

意見④

僕は世の中がサマータイムになろうがどうでもいいと思ってる。どっちかというと、否定的な予想があるときは、まずやってみたらと思う。やらない理由を考えても現実はわからないことが多いし。

— finalvent (@finalvent) 2018年8月7日

意見⑤

原則論として、市民の健康や生活を良くするためなら必要なコストを支払うべきだし、サマータイムにそのような効果があるのならば、ITエンジニアはがんばるべきだと思ってる。自動車業界にとって排ガス対策はコストでしかないけど、やらなきゃいけないことなのと同じ論理

— Kazuho Oku (@kazuho) 2018年8月7日

 

…と、賛否両論ありますが、全体的な印象としてはサマータイム導入に対して反対の意見の方がよく目につくものの積極的に賛成している人はそんなにいない、というような感じでした。

 

そのせいか、議論・検討は色々と行われたものの、最終的にはオリンピック時での導入は難しい、ということで結論は先送りになったようです。

 

参考
サマータイム「五輪で導入難しい」　遠藤元五輪相日本経済新聞

 

ヨーロッパのサマータイムは廃止の方向？

 

参考
EU夏時間「来年廃止」を提案　欧州委員長日本経済新聞

 

そしてその後の最新情報。

 

上記2018年9月の日本経済新聞の記事では2019年までに廃止か継続か、いずれかを各国が選択するという感じでしたが、このリミットが延長されたようです。

参考
Ora legale abolita dal Parlamento Europeo: ecco da quando e cosa succederà in ItaliaCentro Meteo Italiano.it

 

記事の内容を要約すると、もとは2019年から順次廃止していく予定だったのが、2021年まではとりあえず延期となりました。

 

2021年4月までに、EU加盟各国はこの制度を独自に続けていくのか、それとも決められた方法で廃止とするのかを選ぶことに。

 

 

その通り、そのややこしさがこの決定の一番の問題点なんです…

 

イタリアの選択

さて、それではイタリアの立場は？

 

実はイタリアはまだ、公式にどちらを選択するか発表していません。フランスは既に「サマータイムを選択する（ずっとサマータイム時の時間設定で行く＝日本との時差が短い方を取った）」と発表したようです。

 

 

というわけで、2020年3月29日の深夜は予定通り時計の針が1時間進みますので、眠る時間が1時間マイナスということに！

 

サマータイムのメリットとデメリット

メリット

このサマータイムという制度、始まりは諸説ありますがヨーロッパの資源節約のために考案されたものというものが一般的。1916年に「British Summer Time」と名付けられた制度がイギリスで導入され、夏の間は時計の針を一時間進めることになりました。

 

 

導入された目的が資源節約のため、というところからもわかりますが、メリットとしては以下のような点が挙げられています。

 

• 明るい時間を有効に使えるので照明の節約になる。
  ※日の出とともに起きるというのは、生物的には適した生活スタイルである。
• 交通事故や犯罪発生率の低下。
• 活動時間が増えることによる経済の活性化。
• 午後の日照時間が増えることによる余暇の充実。

-Wikipedia「夏時間」より

 

デメリット

しかしこれに反して、実際に導入している国の人々の意見としては、デメリットとして特に健康面での被害が多く挙げられています。

 

Health problems and little savings
Those who oppose daylight savings say that it has become obsolete thanks to other more efficient energy-saving technologies such as LED lights. “We are clearly headed toward smart cities, smart buildings and smart solutions which will bring much more savings than changes of the clock,” said Commission Vice President Maros Sefcovic.
Critics have also cited long-term health problems, sleep-related issues and the reduced concentration that often accompanies the twice-yearly change.
「サマータイム制に反対する人は、LED照明のような他のより省エネな技術のおかげで、それは時代遅れになっていると言います。 マーシュ・セフコビッチ委員長は、「われわれは明らかに、時計を変えることよりもより資源を節約できるスマートな都市、スマートな建物、そしてスマートな解決策に向かっている」と言いました。
批評家はまた、長期的な健康問題、睡眠関連の問題、および年2回の変更に伴う集中力の低下を指摘しています。」
– DW News”EU to stop changing the clocks in 2019“

 

 

あとサマータイム開始日・終了日が旅行の移動日に当たるときは要注意ですね！

 

特に早朝に飛行機に乗って移動するような場合、ついうっかりとこのことを忘れて目覚ましをセットすると、空港への到着が間に合わない、なんて事態も…！！

 

 

乗り遅れるよりはましですが、睡眠不足のため移動日がより疲れる日になってしまったのは言うまでもありません。

 

もしも移動日に当たる場合は、どうぞご注意を！！