2月のイタリアはカーニバル(伊:カルネヴァーレ)が大盛り上がり!
世界3大カーニバルのひとつに数えられる、ヴェネツィアのカーニバルは豪華な衣装に身を包み、仮面をかぶった人たちが街じゅうに現れる幻想的な風景。
ガイド学校の先生カテリーナ
そしてイタリアではヴェネツィアの他にも、各地域で個性豊かなカーニバルが開催されます!
今回はその中のごく一部をご紹介します。
目次
ヴェネツィアのカーニバル
イタリアでカーニバル…といえばこれ!
さながら仮面舞踏会といった、タイムスリップしてしまったかのような不思議な光景が目の前に広がります。
開催期間
開催期間は18日間ですが、期間中のヴェネツィアは常にこんな光景。特にどうしても参加したいお目当てのイベントがある、という場合以外は、いつ行っても雰囲気を楽しむことができます。
仮面(伊:maschera / マスケーラ)をあちこちで売っていたり、カーニバル用に簡単にメイクしてくれるお店もあるので、せっかくなら見るだけじゃなくて参加してみても面白いかも♪
ヴェネツィアのカーニバルの歴史
その歴史はとても古く、公式な記録として初めて現れるのは1296年のこと。
でもそれ以前にも11世紀頃の資料にもカーニバルの楽しさを総督が語る場面が描かれていたりもします。
そこから多少の形の変化はあれ、ずっと続くカーニバルですが、一度だけ伝統が中断したことがありました。
それは、1797年から1979年の約200年間。
この時代はナポレオンのイタリア侵略に始まり、次いでオーストリアの支配下に置かれた時代で、この間はカーニバルが行われていませんでした。
1979年(かなり最近ですね!)から、再びヴェネツィアの名物として取り上げられ、いまや世界3大カーニバルの一つに数えられるまでになりました。
仮面をつけるようになったワケ
これは、はっきりとはわからないようですが、次のような仮説があります。
サトゥルナリア祭の習慣
前回ご紹介したように、カーニバルのもとになったお祭りが古代ローマ時代からありました。
このお祭りは、普段と社会的地位を入れ替えてばか騒ぎするというもの。
つまり、奴隷は主人に、主人は奴隷に役割を入れ替えて、奴隷が命令して主人が言うことを聞く…という、なかなかユニークなお祭り。
この時代に既に仮面をつけ、正装ではなく派手な衣装を着る習慣だったみたいです。
そこから、カーニバルの風習のひとつとして貧しい人はお金持ち(のふり)ができ、お金持ちの人は逆、というようにそれぞれ仮面で身元を隠して楽しむようになった…という説。
死者の魂を呼び戻すため
もう一つの説は、アルカイック時代(紀元前8世紀~前1世紀)の民間信仰に基づくもの。
この時代には、祭りのときに仮面をつけて祈ることによって、死者の魂を地上に呼び戻すことができると考えられていたそうです。
旅好きナナミちゃん
悪いものから身を守るため
最後の説は、悪い魂に惑わされないようにするため、というもの。
カーニバル期間は、その後に来るクァレジマという信仰への考察の期間の前。
だから、魂の「浄化」がまだハンパな状態だから、悪い魂(死を含む)からの影響を受けないよう、自分たちの身を守るために仮面をつけることにした、という説です。
(参照サイト:SAPERE.IT, giftsitter)
現代は、こんなもともとの意味とは関係なく、とにかく楽しむ!非現実空間を満喫する!!という目的です。
ちなみに参加者のほとんどは旅行者で、衣装も持参してくるツワモノも多々いるようです…!!
旅好きナナミちゃん
トスカーナ州のカーニバル
ヴィアレッジョのカーニバル
ヴィアレッジョはトスカーナの海沿いの街。
1873年から続く、こちらも伝統あるカーニバルです。もともと、中産階級の若者たちが始めたお祭りだそう。
日本ではヴィアレッジョという名はそれほど知られていないんですが、実はここのカーニバルはイタリアのみならず、ヨーロッパでもとても有名なんです。
なんと毎年100万人以上の来場者が、この小さな街に集結します!
このカーニバルはヴェネツィアのものと違って、山車の上に大きなオブジェが乗った形になっています。日本のねぶた祭りみたいですね。
こちらは2017年のヴィアレッジョ・カーニヴァルの様子。
上に乗っている人形(?)は政治家、文化人、芸能人、スポーツ選手などの有名人や、怪獣や空想上の生き物など色々です。トランプ大統領やレンツィ元首相をはじめ、ローマ教皇フランチェスコ1世までネタにしてしまう自由さ!!
なんと紙粘土製(戦前は木でできていたそうです)!
表現されるのが現代人であることが多いので、表情やしぐさなどは風刺作品になっていることが多く、元ネタを知っているとなかなか楽しめますね!
1931年から採用された公式マスコットは「ブルラマッコ(Burlamacco)」。これはコンメディア・デッラルテ(commedia dell’arte)という即興演劇に登場する人物を組み合わせて作られたもの。
ガイド学校の先生カテリーナ
メインはアルレッキーノという道化師役ですが、衣装の赤と白のチェック柄は、砂浜のパラソルからヒントを得て作られたそう。
ガイド学校の先生カテリーナ
参考
ヴィアレッジョのカーニバル公式サイト
アクセス:フィレンツェS.M.N駅より電車で1時間30~40分 / 10.10ユーロ※2019年12月現在
【2020年開催情報(予定)】
開催日:2月1日(土)・2月9日(日)・2月15日(土)・2月20日(木)・2月23日(日)・2月25日(火)
プログラム:
- 2月1日(土)16:00~ オープニングセレモニー&第1回山車行列、花火ショー
- 2月9日(日)15:00~ 第2回山車行列
- 2月15日(土)17:00~ 第3回山車行列
- 2月20日(木)18:00~ 第4回山車行列、花火ショー
- 2月23日(日)15:00~ 第5回山車行列
- 2月25日(火)14:50~ 第6回山車行列&最優秀山車の発表、花火ショー(グランドフィナーレ)
入場料:6回分入場券(前売り[1月6日まで]35ユーロ・[1月7日から]40ユーロ)、指定の日1回券20ユーロ(2月20日のみ15ユーロ)オンラインチケット1回券(当日の購入は不可)17ーロ+予約料、オープンチケット(開催日のうち好きな日に1回だけ利用可能)20ユーロ
※25名以上の団体・14歳以下は割引あり、身長120cm以下の子どもは無料
※2月20日(木)のみ有効の入場券:大人15ユーロ
※オンラインチケット購入サイト「Vivaticket」https://carnevaleviareggio.vivaticket.it/eng
※詳細は公式サイトhttp://viareggio.ilcarnevale.com/biglietteria-contattiよりお問い合わせください。
【過去情報】
【開催予定】
2021年ヴィアレッジョのカーニバル 1月30日(土)~
2022年ヴィアレッジョのカーニバル 2月5日(土)~
イタリアのその他の地域で開催されるカーニバル
各地域、それぞれに変わったお祭りがあります。
これらの地域やその近くに期間中に行かれる場合は見に行ってみると面白いかも♪
・ピエモンテ州:「イブレアのカーニバル / Storicocarnevale di Ivrea」
開催場所:イブレア(トリノ近郊)
http://www.storicocarnevaleivrea.it/
・プーリア州:「プティニャーノのカーニバル / Carnevale di Putignano」
開催場所:プティニャーノ(バーリ近郊)
http://www.carnevalediputignano.it/
・シチリア州:「アチレアーレのカーニバル / Carnevale di Acireale」
開催場所:アチレアーレ(シチリア島カターニャ近郊)
http://www.carnevaleacireale.it/
・サルデーニャ州:「マモイアーダのカーニバル / Carnevale di Mamoiada」
開催場所:マモイアーダ(サルデーニャ島中心付近)
http://sardegnainblog.it/16526/carnevale-mamoiada/
・エミリア・ロマーニャ州:「チェントのカーニバル / Carnevale di Cento」
開催場所:チェント(ボローニャ近郊)
http://www.carnevalecento.com/