海外旅行で気になることのひとつ、現地のお水事情。
せっかくの旅行なのに、お腹痛くなったりとかしたらやだもんね…
よく、「イタリアのお水は飲んでも大丈夫ですか?」とご質問をいただきます。
それから日本とやっぱり違うのがイタリアのお水は『硬水』という問題!飲み比べてみるとやっぱり「硬いな」と感じる種類のものもあります。
ということで、お腹が弱くてイタリアのお水事情が気になるあなたに、おすすめのお水リストを現地からお届けします!
ちなみにイタリアのお水は基本的に硬水なので、イタリア人には「お水が硬い」「軟らかい」の意味がよくわかりませーん
※実話です。かつてイタリア人に「硬くないお水はどれ?」って聞いたら、「お水が硬いとか硬くないってどういうこと?」と質問で返されました…
目次
イタリアの水事情
イタリアの水道水
さて、もっともよく聞かれる質問のひとつ、
イタリアの水道水は飲んでも大丈夫ですか?
この質問、答えは
飲んでも即お腹を壊したりはしないので、大丈夫といえば大丈夫です、、
が、「とりあえずまずい😫」です。
これはたぶん、街や村によって違うのでしょうが…
特にフィレンツェやローマなどでは街や建物が古く、水道管もかなり昔に敷設されたものが多いです。
そのためなのか、とにかく美味しくないですね。いろんな薬品っぽい味がするというか、とりあえず日本の「お水」を思い描いた時の味ではありません。
それしかないとか、すぐ飲まなきゃ死んじゃうとかいう場面なら致し方ないかと思いますが、こういった街に住んでいる人はたいていペットボトル入りのお水を買って飲んでいます。
とはいえ、田舎のほう、特に源泉に近いエリアなどに行くと、水道水でも美味しいものが出たりします!このあたりは日本も同じかもですね。
イタリアのお水の値段
ペットボトル
そして売っているお水が比較的、良心的なお値段設定になっているということも、みんながペットボトルを買う理由のひとつかもしれません。
ペットボトルは、スーパーで買うと500ml入りのもので20セントくらい~50セントくらいで売っています。
【イタリアのお水の値段】
スーパーで…20セントくらい~50セントくらい:1ユーロ=160円なら32円~80円
街中のバールなどで買うと、1.5ユーロ~2ユーロくらい。
【イタリアのお水の値段】
バールで…1.5ユーロ~2ユーロくらい:1ユーロ=160円なら240円~320円
観光地の超ど真ん中の広場、とかなら2ユーロ(たまに2.5ユーロ)~くらいが相場でしょうか。
ペットボトルはスーパーやバール、キオスク(スタンド)などで売っています。スーパー以外では、たいてい外から見えるところにペットボトル飲料がたくさん入った冷蔵庫が置いてありますよ!
ちなみにスーパーではお水はいちばん奥のコーナーやレジ(ルート的に最後)近くにあることが多いです
レストランのお水
レストランでは、席に着くと「Acqua?(お水は?)」と聞かれます。これは、ガス入りとガスなし、どちらにする?の意です。
答え方は、下記を参考に!
- Naturale(ナトゥラーレ)/senza gas(センツァ・ガス):ガスなし
- Frizzante(フリッツァンテ)/Gassata(ガッサータ)/con gas(コン・ガス):ガス入り
- どちらもほしい!というときはUna e Una(ウナ・エ・ウナ):一本ずつ
ちなみに日本と違って、イタリアではお水は有料です!頼んだ本数がお会計時に伝票につけられています。
大体、500ml入り~750ml入りの瓶またはペットボトルで出されることが多く、お値段は2.5ユーロ~4ユーロの間くらいで、お店の場所やランクなどによります。
イタリア旅行でのレストラン注文術!メニューの頼み方、チップ、マナーをマスターしようイタリアの水の種類
イタリアでは本当にたくさんの種類のお水が売られています。
主に、ガス入りかガスなしか、含まれるミネラルなどがどのくらいかで飲み味が変わります。
ガス入り or ガスなし
ガス入りはいわゆる炭酸水のことで、最近は日本でも見かけるようになりましたね。例えばこんな感じの商品とか。
普通のお水(ガスなし)は「Naturale」、ガス入りは「Frizzante」または「Gassata」と大体書いてあります。
- Naturale(ナトゥラーレ)/senza gas(センツァ・ガス):ガスなし
- Frizzante(フリッツァンテ)/Gassata(ガッサータ)/con gas(コン・ガス):ガス入り
ガス入りが苦手な人は、自分で買うとき間違えないようにラベルをしっかり確認してくださいね!
イタリアの水の硬度
イタリアのお水は『硬水』のことが多いです。硬水とは、カルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量が多い水のことで、厚生労働省の規定によると以下のようになっているそうです。
水の硬度は、主にカルシウムやマグネシウムの陽イオン等の種々の溶解性多価金属イオンにより生ずる。それは、通常は1L当たりの炭酸カルシウムのミリグラムとして表される(WHO 2011a)。
『清涼飲料水評価書-カルシウム・マグネシウム等』2017年4月食品安全委員会より引用
通常、炭酸カルシウムの含有量が60mg/L以下の水を軟水、60~120mg/Lの水を中硬水、120~180mg/Lの水を硬水、180mg/L以上の水を超硬水としている。
ちなみに、硬度が高くなると含まれるミネラルが多くなるので、それを取りすぎるとお腹を壊してしまうというパターンが増えるようですね!
イタリアでおすすめのお水ベスト3!+α
さて、というわけで
じゃあ、実際どのお水を買ったらいいの??
という疑問にお答えして、イタリアで比較的手に入りやすいもののうち、飲みやすいおすすめのミネラルウォーターをランキング形式でご紹介します!
※イタリアのお水には硬度を決定する炭酸カルシウム(CaCo3)の記載がないため、ミネラル分等で比較しています。
※下記の項目のうち、「蒸発残留物」についてはこちら:
蒸発残留物は水中に浮遊したり溶解して含まれるものを蒸発乾固したときに残渣として得られた物をいい、総量をmg/Lで表します。蒸発残留物の主な成分は、カルシウム、マグネシウム、シリカ、ナトリウム、カリウムなどの塩類や有機物です。
水道水質基準では、「500mg/L以下」と定められています。
国土交通省関東地方整備局江戸川華扇事務所「蒸発残留物」より引用
1位:Sant’Anna(サンタンナ)
堂々の第一位は『Sant’Anna』!
内臓疾患のある人や赤ちゃんの離乳食を作るための水としても指名されるほどの実力者。
たしかに飲んだ感じ、とてもまろやかで飲みやすい!
赤ちゃんの写真が目印です♪
源泉はピエモンテ州Vinadio。
蒸発残留物 | 22 mg/L |
ナトリウム | 1.5 mg/L |
カルシウム | 3.3 mg/L |
マグネシウム | -(公表なし) |
PH | 6.8 |
2位:San Bernardo(サン・ベルナルド)
続いては『San Bernardo』!
源泉はピエモンテ州Garessio。名前の由来はこの源泉がサン・ベルナルド(聖ベルナール)の奇跡の水と呼ばれ、その飲みやすさから健康に良いと古くから信じられていたため。
飲んだ感じ、クセがなくて「軟らかい」と感じます。とてもお水らしいお水かも!
蒸発残留物 | 34.9 mg/L |
ナトリウム | 0.58 mg/L |
カルシウム | 10.8 mg/L |
マグネシウム | 0.39 mg/L |
PH | 7 |
3位:Levissima(レヴィッスィマ)
3位、『Levissima』です。源泉はロンバルディア州Valtellina、アルプス山中に位置しスイスとの国境付近。
飲んだ感じは、滑らかな舌触りで一気飲みしても全然イガイガしない!
こちらもとても飲みやすいです。
蒸発残留物 | 88.3 mg/L |
ナトリウム | 2.1 mg/L |
カルシウム | 23.1 mg/L |
マグネシウム | 1.8 mg/L |
PH | 7.9 |
ここまでの上位3商品は、日本でよく売られている『南アルプスの天然水』とか『六甲のおいしい水』と比べても、蒸発残留物やミネラル分が少なめ(*)なので、かなり飲みやすいと思います。
*参考=伊藤八十男;内野栄治;上田祥久;高野敬志;都築俊文. 1992. 『市販ミネラルウォーター類の成分組成』道衛研所報第42集
次点
Acqua Panna(アックァ・パンナ)
源泉はフィレンツェの北約35kmにあるムジェッロというエリアで、実はここはメディチ家の出身地でもあります!が、フィレンツェだけでなくイタリア全国で出てきます。
個人的には飲んだ時の印象はそれほど硬いとは感じませんが、数値上は上の3つに比べるとミネラル分が多め。とはいえ、イタリアの様々なお水の種類の中ではかなり低い部類に入ります
蒸発残留物 | 142 mg/L |
ナトリウム | 6.5 mg/L |
カルシウム | 31.5 mg/L |
マグネシウム | 6.5 mg/L |
PH | 7.9 |
San Benedetto(サン・ベネデット)
源泉はヴェネト州のアルプスエリア。
こちらは上のアックア・パンナと並んでとても普及している種類の一つ。レストラン、バールでもかなりの確率で目にします。
ミネラル分が上記の他のお水と比べると多めなのもあってか、確かに飲んだ時の印象は少し「硬い」かも?硬水が苦手な方だと強く感じるかもしれません
蒸発残留物 | 273 mg/L |
ナトリウム | 5.9 mg/L |
カルシウム | 49.8 mg/L |
マグネシウム | 28.5 mg/L |
PH | 7.6 |
日本のお水と成分比較!
南アルプスの天然水* | Sant’Anna | San Bernardo | Levissima | Acqua Panna | San Benedetto | |
蒸発残留物 | 64 mg/L | 22.0 mg/L | 34.9 mg/L | 88.3 mg/L | 142 mg/L | 273 mg/L |
ナトリウム | 5.1 mg/L | 1.5 mg/L | 0.58 mg/L | 2.1 mg/L | 6.5 mg/L | 5.9 mg/L |
カルシウム | 12.2 mg/L | 3.3 mg/L | 10.8 mg/L | 23.1 mg/L | 31.5 mg/L | 49.8 mg/L |
マグネシウム | 2.3 mg/L | – | 0.39 mg/L | 1.8 mg/L | 6.5 mg/L | 28.5 mg/L |
PH | 6.8 | 6.8 | 7 | 7.9 | 7 | 7.6 |
レストランでは普通、銘柄の指定はできませんが、スーパーやバールで自分で入手するときは上のデータをヒントに探してみることをおすすめします♪
お口に合ったお水が見つかりますように!