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レオナルド・ダ・ヴィンチ、ルネサンスの天才を生み出した小さくつつましやかな村。

ルネサンス三大巨匠のひとり、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci / 1452 – 1519)

その出身はヴィンチ村という、イタリア中部の都市フィレンツェから約50kmほど西に行った小さな小さな村です。

実は彼の名前は「ヴィンチ村出身のレオナルド」の意味なんです。

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

姓が「ダ・ヴィンチ」じゃないんだ・・・!!

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

そうなのよ~だから普通、イタリアでは「レオナルド」と呼ばれるのよ~

あの天才を生み出した小さな小さな村、その風景をご紹介します。

リアルに日テレ「小さな村の物語 イタリア」に出てきそうな、可愛らしいところですよ!(*^▽^*)

ヴィンチ村の場所と行き方

ヴィンチ村の場所

行ってみるとびっくりするほど小さな村で、15分ほどで集落全体を歩けてしまうぐらい。

こんな感じで、周りはひたすらオリーブ畑とブドウ畑が続く、のどかな農村です。

ヴィンチ村

ヴィンチ村への行き方

ここは電車も走っていません。

フィレンツェからだと、電車で35分ほどのエンポリ(Empoli)という駅まで行って、そこからバスに乗り換え、さらに30分。小さな村の入り口にようやく着きます。

電車・バスの時刻検索方法

海外初心者でも大丈夫!1からわかるイタリア国内移動方法【電車、バス、タクシー、ハイヤー】

ここにあの天才・レオナルドが1452年4月15日に生まれ、幼少期を過ごしたのですが、まさか当時は、彼がそんなに優れた人物だとは、また、そのために後世にこんなにたくさんの人々がこの場所を訪れることになるとは誰も予想しなかったでしょうね。。

そんな感想を抱いてしまうほどに、何もなくてのどかな場所なんです。

しかも、レオナルドが生まれた家は、この集落の中心地からさらに車で10分ほど離れた場所にあります。

そこまではバスが行かないので、車がない場合はエンポリの駅前からタクシーで行くか(ヴィンチ村にはタクシーはいないので…)、がんばって田舎道兼山道を30分少々歩くか、という二択になります…

このエリアは、写真の通り緑豊かな農業地帯でワインの生産地でもあります。が、その分、誰も通りません。車ですらたまーに…という感じです。

レオナルドの生まれた家

レオナルドは、公証人だった父の庶子として生まれました。

庶子とは、婚姻関係にない二人から生まれた、つまりこの時代的には正しくない」存在

また、父と母は社会的身分に差がありました。

父は公証人という裕福な家系、母は貧しい家の出身だったので、二人はこの後も結婚せず、それぞれ別の相手と結婚します。

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

母については、どちらかというと別の相手を「あてがわれた」というのが近いかも…。

レオナルドが幼少期を母と一緒に過ごした家が、こちら

レオナルドの生家

( ゚Д゚)。。。

ちっさっ!!!

思わず声に出してしまうほどこじんまりとしたお家です。

なにせ、3部屋。以上!

トイレナシ!お風呂ナシ!台所というか、かまどあり!以上!

上の写真に写っているのが、下の見取り図の赤丸の部分です。

レオナルド生家の見取り図

現在は、生家は美術館というかレオナルドに関する展示がされていて、ひとつの部屋ではレオナルドの人生のダイジェストビデオ(イタリア語、英語)が流されています。
※内部は写真撮影禁止です。

本当に小さくて何もないのですが、あの天才がここで何を考え、何を描いたのか、作ったのか、などという空想をするとなかなか面白いですね。

レオナルドが洗礼を受けた教会

ヴィンチ村のサンタ・クローチェ教会

洗礼」は、キリスト教徒にとっては欠かせない儀式。

生まれたばかりの赤ちゃんは原罪(アダムとイブが神のいいつけに背いて知恵の実を食べてしまった罪)を背負っているので、父なる神の前に出る前にそれを清めるために行う儀式です。

レオナルドももちろん、生まれた時はキリスト教の家だったので(成長してから後は本人の心がどうだったのかわかりません)この洗礼の儀式を受けます。

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

ふつうは両親立ち合いのもとで行われるんだけど、レオナルドの場合はほら、生まれが複雑なもので両親どちらも立ち会わずに行われたそうよ

これがレオナルドが洗礼を受けた場所、洗礼堂(というか洗礼室)。

レオナルドが洗礼を受けた場所
旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

ここにレオナルドがいたんだねぇ…

フィレンツェのドゥオモのように大きな教会だと、洗礼堂は教会とは独立して建てられるのですが、このように小さな教会だと中の一部分に洗礼堂が設けられています。

フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂、見どころ全部お伝えします!

この教会はローマ時代からある、とても古い教会。

ロマネスク様式で建てられており、質素なたたずまいで装飾も少ないです。

ヴィンチ村のサンタ・クローチェ教会(内部)

こういう小さな教会は、ドゥオモのような観光地とは違ってとても厳かな雰囲気で、日常の諸々を忘れて心を整えるにはピッタリな場所ですね♪

レオナルド博物館

さて、ヴィンチ村の一押しはやはり「レオナルド・ダ・ヴィンチ」です。

というわけでこの小さな小さな村の中に、レオナルド博物館がなんと2つもあります。笑 2つの距離は徒歩1分ほど。

これらは昔のフィレンツェで盛んだった豪華な織物のための糸を作るための機械の展示。

貴重な金や銀を使って織り糸を仕上げたり、フィレンツェにたくさんいた彫金職人のための金箔を作っていました。

金を使った貨幣フィオリーノの展示などもあります。

レオナルドの発明品

日本では画家・芸術家として有名なレオナルド・ダ・ヴィンチですが、実は彼の興味は科学や発明の方により重点が置かれていました。

ヴィンチ村にあるもう一方の美術館にはレオナルドの発明品が展示してあります。

(本人のデザイン手記から再現したものも。※本人は作っていない

発明その①スポーツに使う!?

たとえば、これ、なんだと思いますか??

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

浮き輪っぽいものと… 河童の足みたいなものと…
あっ、もしかして!?

そう、これは水中を歩くための道具。現代のスキューバダイビングの機材に似ていますね。

顔のマスクみたいなところから出ている白い布の先が向かって右の筒みたいなものにつながっていて、これが水上に出ていて呼吸ができますよというものです。

発明その②実現していたら歴史が変わった!?

そしてこちらは

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

自転車だ!!

一般には自転車の発明は19世紀とされているんですが、レオナルドはなんとそれに先駆けること400年前に、既にそのアイデアを書き留めていたのです。

この他にも実用化はしなかったものの各種武器のアイデアとか、レオナルドは本当に発想が豊かで、色んなものをノートに残しています。

ただ残念ながら、好奇心旺盛すぎて興味の移り方も素早過ぎたので、挑戦したけど完成させず、というものが非常に多く…。

もしもその時代に登場していたら、今頃もっと色んな歴史が変わっていたであろうものがたくさんあります。

発明その③絵画界の重要な革命

そして、絵画の世界においても、とても大切な発明をしました。

レオナルドが発明した表現法のひとつに「空気遠近法」というのがあります。

簡単に言うと、現代では当たり前の、絵画の中の背景が近くのものはくっきりと、遠くの方はかすむように表現する技法のこと。

この作品「受胎告知」の背景部分にも使われています。

受胎告知 レオナルド・ダ・ヴィンチ, 1472頃 ウフィツィ美術館, フィレンツェ
受胎告知
レオナルド・ダ・ヴィンチ, 1472-1475頃
ウフィツィ美術館, フィレンツェ

レオナルドは生まれ育った小高い丘から澄んだ空気の穏やかな風景を毎日眺め続け、その表現力を身につけていったのでしょうね。

レオナルド好きはもちろん、彼の発明品などは小さい子でも興味を持つ子は多いので、ヴィンチ村は大人でも子どもでも一緒に楽しめそうです♪

それに、普段都会にいるとなかなか楽しめない、非日常的な景色やとてもとても静かで穏やかな景色。緑にたくさん囲まれて、ちょっと疲れた頭や心を癒すのにはピッタリです(*´ω`*)

レオナルド・ダ・ヴィンチ生家(ヴィンチ村) (ヴィンチ村)レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館とレオナルドの生家

帰り道にはエノテカでワインを楽しもう♪

ヴィンチ村からの帰り道にはエノテカに寄ってみましょう!

エノテカとは、試飲ができるワインショップのこと。

ここでは、地元ヴィンチ村ほか、キャンティ地方のモンタルチーノで作られたワインを中心にたくさん取り扱っており、試飲ができます。

このような小さな生産者の製品はなかなか日本には入ってきづらいので、現地を訪れたときに是非寄って、実際に試してみたいものです。

Cantine Leonardo da Vinci / カンティーネ・レオナルド・ダ・ヴィンチ


  • 住所:Via Provinciale di Mercatale, 291, 50059 Vinci FI
  • 電話番号:+39 0571 902444
  • 公式サイト:http://www.cantineleonardo.it/
  • 営業時間:8:00-12:30, 14:30-17:00
  • 休業日:土日


ここのものは一部、日本にも輸入されていますが、ぜひともお店の人に美味しいワインを聞いて試してみたいですね!

日本にはこちらなどが輸入されています。