カントゥッチ(カントゥッチーニ)は、ビスコッティ・ディ・プラート(Biscotti di Prato)とも呼ばれ、「プラートのビスケット」という名前です。
プラートというのはフィレンツェの西25kmほどにある町なので、このお菓子はその名の通りこの町周辺が発祥のもの(とされている)ですが、フィレンツェのレストランでも大体リストに載っています。
目次
カントゥッチ(カントゥッチーニ)とは
日本では「ビスコッティ」!?
日本ではビスコッティと呼ばれることが多いですが、「ビスコッティ(伊:biscotti)」は「ビスケット」を一般的に指す言葉。
この有名なお菓子は、その名前を「カントゥッチ(伊:cantucci)またはカントゥッチーニ(伊:cantuccini)」と言います。
とてもシンプルなお菓子で、ビスケット生地にアーモンドを入れて焼き上げたもの。
近年は色々なバリエーションがあって、アーモンドの代わりにドライフルーツを入れたものもあったりします。
とても生地が詰まっていて、かなり硬く焼き上げてあり、これをヴィン・サントと呼ばれる甘口のデザートワインに浸していただきます。でも、美味しいお店だとただ単に硬くて歯が痛くなるんではなく、中はサクッとしていたりします。
人によってはコーヒーに浸す人もいまーす
カントゥッチ専門店「アントニオ・マッテイ」
カントゥッチ専門店でおそらく一番有名なのは、1858年創業の老舗、アントニオ・マッテイ(Antonio Mattei)というプラートに本店を構えるお店。フィレンツェのお土産物屋さんなどでも多数、見かけます。
クラシックなアーモンド入り(青)とチョコレート入り(赤)、そしてピスタッキオ入り(緑)の3種類。袋もとても雰囲気があってオシャレです。
フィレンツェの中心地には直営のカントゥッチ専門店があって、様々なサイズのほか、個包装のものや限定バッグなど、ここでだけ売っている商品がたくさん。味見ができるお試しセットもありますよ。
アントニオ・マッテイ・ムゼオ・ボッテガ・フィレンツェ
- 住所:Via Porta Rossa, 76/r, 50123 Firenze FI
- 電話番号:055 013 6203
- 公式サイト:https://www.antoniomattei.it/museo-bottega
- 営業時間:火-日 11.00-19.00
- 休業日:月曜日
こちらのお店が有名なのは、創業者のアントニオ・マッテイがクラシックなビスコッティを正式にレシピ化し、それが1867年パリ万博を含む国内外の数々の賞を受賞したためです。
カントゥッチの作り方
カントゥッチの材料・作り方はとてもシンプル。だから、人によってレシピは千差万別なんです。
そのうちのひとつをご紹介しますので、色々とお好みの味バランスを見つけてみてください!
わたしのおばあちゃんは卵は卵黄だけを使って濃い~ぃ生地にしてましたー!
材料
- 卵 5個
- 砂糖 400g
- ベーキングパウダー 15g
- アーモンド 200g
- 小麦粉 800g
オーブンを180℃で予熱しておきまーす
それと、アーモンドはローストしたものを使いまーす!もし、買ってきたものが生のホールアーモンドだったら、オーブンで5~6分加熱するか、フライパンで7~8分炒るといいでーす
作り方手順
- 卵をボウルに割り入れ、お好みでレモンの皮を削って加える。
- 泡だて器を使って卵をしっかり混ぜる。途中、ベーキングパウダーを入れてさらに混ぜる。
- 砂糖を加えて混ぜる。
- ダマにならないよう、小麦粉を少しずつ加えて混ぜる。
※一度にたくさん入れないように注意! - しっかり小麦粉と卵が混ざったら、ローストアーモンドを加える。
- 小麦粉を少しずつ加えながら、手で生地を混ぜていく。
- まな板に打ち粉をして生地をしっかりこねる。ある程度引き締まった硬さになるまで!
- 生地を切り分け、こぶし大の大きさ分くらいを転がしながらのばしていく
- 出来上がった棒状の生地は、クッキングシートを敷いた天板に間を空けて並べる
※焼きあがるとかなり幅広くなりくっつくので、間を詰めすぎないこと! - オーブン180℃で30分ほど焼く
- 熱いうちに1.5~2cmほどに切り分ける。ななめに切るといい感じの大きさに!
※冷めると固くなるので熱いうちに切ること! - さらに5分、オーブンで焼いて出来上がり♪
作り方手順を動画で確認しまーす!
ヴィン・サントとは
ヴィン・サントとは、トスカーナとウンブリアで伝統的に造られていた甘口のお酒で、通常はトレッビアーノやマルヴァジアなどの白ブドウを使って作ります(黒ブドウのサンジョヴェーゼを使う場合もあります)。
名前の由来については諸説ありますが、フィレンツェで語られるのは次のようなもの。
1439年にフィレンツェ公会議(宗教会議)が開かれました。
その宴会の席で、ギリシアの司教ヨハネス・ベッサリオン(Giovanni Bessarione)という人がこのヴィン・サントを飲み、
「これはまさにサンクトス(Xanthos)だ!」
と感嘆の声をあげたのです。
彼はおそらく、自分の良く知っているギリシアのワインの一種を言ったものと思われます…が、それを聞いたフィレンツェ人たちは
「このワインはサント(santo)だ!」 =「このワインは”聖なる”ワインだ!」…? そうでーす、この美味しさは聖なるワインでーす!!
と聞き間違い(思い込み?)で解釈し、そこからヴィン・サント(聖なるワイン)という名前がついたと言われています。
フィレンツェ人の聞き間違えエピソードはいくつかあるのですが、なかなかポジティブでいいですね。笑