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【注意喚起】イスラム教ラマダン月のテロの可能性について【外務省より】

先日、ロンドンのマンチェスターで人気歌手のコンサート会場で自爆テロがありました。

 

大人から子どもまで二十名以上の犠牲者を出した大惨事。

 


参考
アリアナコンサートで容疑者拘束、死者22人で不明者多数Newsweek日本版

 

またこれ以外にも、各地で多数のテロ事件、テロ未遂事件が起こっています。

 

いつ、どこで起こるかは予測がしにくく、防ぐこともとても難しいのですが、得られる情報をしっかり活用してできることは準備しておきたいですね。

外務省からラマダン月のテロの注意喚起メールが来ました

外務省「たびレジ」

日本の外務省、実はとても良い仕事をされています。

 

外務省のサービスでたびレジ」というサイトがあるんですが、ここに登録しておくと指定した地域内での最新の安全情報や緊急事態発生時の連絡メールが受け取れるシステムになっています。

 

これがとても有能…!!

 

注意喚起はかなりしっかりとした情報で、詳細内容も記載してあります。

 

また万一のときも緊急連絡が受け取れるため、何もなしで旅をするよりは心強いですね。

 

▶「たびレジ」登録はこちらから!


参考
たびレジ外務省海外旅行登録「たびレジ」

 

今回、外務省が在イタリア日本大使館経由で一斉発信してくれたメールの概略は以下の通り。

 

「ラマダン月」とは

2017年5月27日(土)頃~6月27日(火)頃

ラマダン月」とは、イスラム教において「日の出から日没までの間、ムスリム(イスラム教徒)の義務のひとつとして断食を行う」期間。

※上記日程に「頃」とついているのは、開始期間が目視による月齢測定(新月の開始)に基づくものだからなんだそうです。なので、直前に変更される可能性もあるとのこと。

 

そもそもこのラマダン、何のために行われるかというと。

断食は、ヒジュラ(西暦622年前後に、ムハンマドとその信者達がメッカでの布教を諦め、アビシニアやヤスリブなどへと移住したこと。アラビア語ではヒジュラは移住を意味し、特に「ある人間関係を断ち切り、新しい人間関係を構築する」というニュアンス)の道中の苦難を追体験するために行われるものである。したがって、飲食物の摂取量を減らすことや、苦痛を得ること自体が目的ではない。あくまで宗教的な試練として課される。また、食べ物に対する有難みを感じさせるためとも言われている。

-wikipedia「ラマダーン」より

 

ということで、簡単に要約するとかつてムハンマドが移住の途中に負った苦労を追体験し、その存在の素晴らしさを認識しよう、ということなんだと思います。

 

なので、イスラム教徒の人たちにとってこれはとても重要な宗教的行事なわけですね。

 

そのためか、このラマダン月期間には過去の事例からみるとテロが多発する傾向があるようです。

 

ラマダン月の過去のテロ事例

2016 年

  • ヨルダン:バカア難民キャンプ襲撃テロ事件(6月6日)
  • アメリカ:フロリダ州オーランド市内ナイトクラブ銃乱射事件(6月12日)
  • フランス:パリ郊外における警察官刺殺事件(6月13日)
  • ヨルダン:ルクバーン難民キャンプ爆弾テロ事件(6月21日)
  • レバノン:バールベック・ヘルメル県における自爆テロ事件(6月27日)
  • トルコ:イスタンブール・アタテュルク国際空港襲撃テロ事件(6月28日)
  • マレーシア:クアラルンプール郊外プチョン地区ショッピングモール内オープンカフェ爆発事件(6月28日)
  • バングラディシュ:ダッカ市内レストラン襲撃テロ事件(7月1日)→日本人7名、イタリア人9名を含む犠牲者22名
  • サウジアラビア:ジッダ,カティーフ,メディナにおける自爆テロ事件(7月4日)

2015 年

  • チュニジア:スースのリゾートホテル襲撃テロ事件(6月26日)
  • フランス:東部リヨンにおけるテロ事件(6月26日)
  • クウェート:シーア派モスクにおける自爆テロ事件(6月26日)
  • エジプト:カイロ郊外における検事総長殺害テロ事件(6月29日)
  • マリ:北部における国連車列襲撃テロ事件(7月2日)
  • ナイジェリア:北部及び中部での連続爆弾テロ事件(7月5日~7日)
  • エジプト:カイロ市内のイタリア総領事館前での爆弾テロ事件(7月11日)

など

 

改めてみると地域を問わず、様々なところでテロが頻発しています。

 

最近は、爆弾や銃撃のみならず、自動車で突っ込んだり、放火したりなど一度に一般人を多数殺傷できるようなテロがイスラム過激派組織ISIL (イラク・レバントのイスラム国)から呼びかけられているとのこと…。

 

個人レベルでできるテロへの対策

最新の情報入手

ニュースSNSなど、様々な手段で情報が入手できます。

 

また、先ほどの「たびレジ」はわざわざ検索しなくてもかなり早い段階で注意喚起メールを送ってくれるので便利。

 

標的となりやすい場所に注意

旅行中ということで、つい気はゆるみがちですが、常に周囲には注意するようにしましょう。

 

テロだけじゃなく、イタリアはもともとスリなんかも多いですから、人ごみの場所に行くときは普段より気を付けて!

 

金曜日に注意

金曜日イスラム教徒が集団礼拝をおこなう日なので、宗教施設や群衆を狙ったテロや襲撃が行われる可能性が高まります。

2017年ラマダン月の金曜日:

  • 6月2日
  • 6月9日
  • 6月16日
  • 6月23日

 

旅行日程を周りに知らせておく

これはテロだからということではなく、普段の旅行からしておいた方がいいことですね。

 

家族や友人、職場など、万一の連絡や無事を伝える連絡をいち早く行いたい場所には、日程・連絡先・滞在先を伝えておくと安心です。

 

イタリアでのテロの可能性

と、ここまで散々、恐怖をあおるような内容ばかり書いてきたんですが、実はイタリアではテロはほとんど起きていません

 

ガイド学校の先生カテリーナ

ローマにはキリスト教総本山のバチカン市国があるし、そのトップのローマ教皇がいらっしゃるので狙われてもおかしくはないんだけどね~

 

フランス、ドイツ、イギリスなどヨーロッパ圏でのテロが報じられるたび、「次はイタリアでは!?」とニュースで伝えられるのですが、現段階では未遂事件こそ起きているものの、実行されたものはないんですね。

 

なぜか。

 

一説にはイタリアマフィアが、よそ者を入れさせない(=イスラム教徒たちにコミュニティを作らせない)ため、基盤が作りにくいからだと言われていますが、実のところはわかりません。

 

このイタリアでのテロの可能性について解説してあるこちらのサイトがとてもよくまとめられていました。


参考
イタリア旅行でテロが起こる可能性ゴダラボ

 

ポイントは

  • イタリア政府のテロ対策は徹底している
  • 歴史上、イタリアはイスラム国家に対してそれほど攻撃を加えていない
  • 移民上陸の拠点となっているため、イタリアを攻撃することは彼らにとってデメリットの方が大きい

ということだそうです!勉強になりました!!

 

外務省からのメール

以下は実際に届いた注意喚起メール本文の転記です。

 

ゴルゴ13が登場するマンガが使われていたりしてなかなか工夫してあって面白いですね!

 

このメールの最後にここ数か月で起こったテロ関連に関する注意喚起一覧が添付されていますが、こんなにも頻発していたとは…改めてみるとすごい数です。

Date: 2017/5/24, Wed 11:35
Subject: 【在伊日本大使館】(ラマダン月:注意喚起)

在留邦人の皆様、
旅行者の皆様、

在イタリア日本大使館 領事・警備班からのお知らせです。
外務省において、以下の海外安全情報(広域情報)を発出しましたので、お知らせします。

~海外安全情報(広域情報)~

ラマダン月のテロについての注意喚起

●5月27日(土)頃から6月27日(火)頃は,イスラム教のラマダン月及びラマダン明けの祭り(イード)に当たります。
●近年,ラマダン期間中に多数のテロが発生しています。最新情報の入手に努め,テロの標的となりやすい場所を訪れる際には,安全確保に十分注意を払ってください。情報収集には「たびレジ」を活用してください。

☆詳細については,下記の内容をよくお読み下さい。

1 5月27日(土)頃から6月24日(土)頃は,イスラム教徒が日の出から日没まで断食を行うラマダン月に当たります。ラマダン終了後には約3日間(6月25日(日)頃から6月27日(火)頃),イードと呼ばれるラマダン明けの祭りが行われます。
(※)ラマダン月の開始は目視による月齢観測に依拠するため,上記日程は直前に変更されることがあります。

2 イスラム過激派組織ISIL (イラク・レバントのイスラム国)は,2015年及び2016年にラマダン月の間にテロを呼びかける声明を発出しています。同声明との関係は明らかではありませんが,過去2年,ラマダン月に多数のテロ事件が発生しています。
特に昨年は,邦人を含む多数の犠牲者が出たバングラデシュでのダッカ襲撃テロ事件や,トルコのイスタンブールでアタテュルク国際空港の襲撃(45人が死亡,200人以上が負傷)などのテロ事件が発生しています(過去2年の主なテロ事件は別添を参照して下さい)。
また,最近は,爆弾や銃撃に加えて,車両やナイフを使用したテロや放火,窃盗など簡単に一般人を多数殺傷できるテロが呼びかけられています。

3 本広域情報発出時点で同様の声明は確認されていません。しかし,近年,ラマダン月に多くのテロが発生していることを意識し,以下の対策をお願いします。
(1)最新の関連情報の入手に努める。
(2)テロの標的となりやすい場所(※)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる,できるだけ滞在時間を短くする等,安全確保に十分注意を払う。
(※)観光施設,観光地周辺の道路,記念日・祝祭日等のイベント会場,ナイトクラブや映画館等の娯楽施設,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット等人が多く集まる施設,教会・モスク等宗教関係施設,公共交通機関,政府関連施設(特に軍,警察,治安関係施設)等。
(3)金曜日に注意して下さい。金曜日はイスラム教徒が集団礼拝を行う日であり,その際,モスク等宗教施設や群衆を狙ったテロや襲撃が行われることがあります。本年のラマダン月については,6月2日,9日,16日及び23日が金曜日に当たります。

4 海外渡航前には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
さらに,渡航・滞在先の国・地域において緊急事態が発生した場合,メールアドレス等を登録されている場合には,外務省から随時一斉メール等により最新の情勢と注意事項をお伝えしています。
3か月以上滞在する方は,必ず在留届を提出してください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html
3か月未満の旅行や出張などの際には,「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/#

5 海外滞在中の安全対策については,「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」も参照してください。
http://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html

(参考広域情報・スポット情報)
・フランス:パリ市内のシャンゼリゼ通りにおける銃撃事件発生に伴う注意喚起(2017年4月21日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C085.html
・エジプト:コプト・キリスト教会における連続爆弾テロ事件の発生に伴う注意喚起(2017年4月13日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C080.html
・フィリピン:渡航する際のテロ等に対する注意喚起(2017年4月12日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C076.html
・スウェーデン:ストックホルム市におけるデパートへの車両突入事案の発生に伴う注意喚起(2017年4月7日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C070.html
・パキスタン:ラホール市で発生した爆発事件に関する注意喚起(2017年4月6日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C069.html
・ロシア:サンクトペテルブルク市地下鉄における爆発事件の発生に伴う注意喚起(2017年4月3日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C066.html
・英国:ロンドンにおける英議会下院及び周辺でのテロ事件発生に伴う注意喚起(2017年3月23日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C057.html
・バーレーン:爆弾テロ事件発生に伴う注意喚起(2017年2月28日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C040.html
・トルコ:ISIL(イラクとレバントのイスラム国)関係者摘発に伴う注意喚起(2017年2月10日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C024.html
・モロッコ:テロの脅威に関する注意喚起(2017年2月8日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C023.html
・ケニア:テロの脅威に対する注意喚起(2017年2月3日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C021.html
・トルコ:イスタンブール市内ナイトクラブにおける銃撃テロ事件発生に伴う注意喚起(2017年1月1日)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C002.html

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○外務省 海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
(了)

在イタリア日本国大使館

Ambasciata del Giappone
Via Quintino Sella, 60
00187 Roma
+39 06-487-991
E-mail: consolare@ro.mofa.go.jp

 

願わくば何も巻き込まれないことが一番ですが、備えあれば憂いなし、旅行前には念入りに準備しておきましょう!