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フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂の天井モザイク画、6年間の修復作業へ。

フィレンツェの街の中心に位置するサン・ジョヴァンニ洗礼堂。ここ数年で外観や内部の一部も美しく修復されましたが、いよいよ修復プロジェクトの大詰めとして、足かけ6年(2028年終了予定)の天井モザイク画の修復作業が始まることになりました!

美術作品の多いフィレンツェでも古い部類に入る(つまりとても貴重な)洗礼堂のモザイクは、総面積が1,000㎡を超える大規模な作品です。しかも場所が地上35mほどの場所にあって、作業はとても難しいものになるので、それはとても手間ひまとお金がかかるのです。
今回の作業では、史上初、一般公開で見学もできるようになることが発表されました。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂とは

フィレンツェの街の中心に、ドゥオモと呼ばれるサンタ・マリア・デル・フィオーレ(花の聖母)大聖堂があります。ガイドブックにも必ず載る有名な観光スポットで、壮麗な大理石の外観が美しく、後ろに見える茶色の丸屋根(クーポラ)はフィレンツェのシンボルです。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂はそのドゥオモの前にある、八角形の建物。『洗礼』を行う場所を『洗礼堂』と言います。

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

洗礼って…?


『洗礼』とは、キリスト教の信者になるための大切な儀式。国教がカトリックで、人口の約75%~80%がカトリック教徒とされているイタリアでは、ほとんどの人が1歳ぐらいまでにこの儀式を行います。この儀式を行う場所だから、『洗礼堂』はとても大切な建物なんですね。

※サン・ジョヴァンニ洗礼堂は1945年頃にその役割を終え、現在は年に数回の宗教的儀式に使用されるほかは観光地として公開されています。

サン・ジョヴァンニ(聖洗礼者ヨハネ)は、聖書の中でイエスに洗礼を施した人物。実は、フィレンツェの町の守護聖人に選ばれており、洗礼堂はその名前を冠しています。

カトリックの有名な「聖人」たち。そのエピソード、アトリビュートを知って美術を楽しもう!

洗礼堂の天井モザイク画


 
サン・ジョヴァンニ洗礼堂は白と緑の幾何学模様の大理石で彩られたユニークな八角形の外観と、内部の壮麗なモザイク装飾が有名です。
 
昔は文字が読めない人が多かったので、聖書のお話を人々に分かるように話すために絵や彫刻などが大きな助けになりました。

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

昔の美術作品は主にその目的でつくられていたのよ~


サン・ジョヴァンニ洗礼堂のモザイク画のテーマは、大きく分けて『最後の審判』『旧約聖書①創世記』『旧約聖書②ヨセフの物語』『新約聖書①マリアとイエスの物語』『新約聖書②洗礼者ヨハネの物語』の5つです。

フィレンツェの洗礼堂内部、モザイク画の内容、見どころをズバリ解説!
ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

天井一面にきらびやかな装飾がしてあって、それはそれは美しいのよ~

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

モザイクというのは、小さな石片などを無数に組み合わせて絵を作る技術のことよ~

実は、このモザイク装飾、フィレンツェに現在も伝わる美術作品の中でももっとも古い部類に入る1200年代の作品。それゆえ、長い年月の間に劣化してしまった部分のメンテナンスが欠かせません。

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

ちなみにこのモザイク画は、あの『神曲』の作者ダンテにも大きな影響を与えたと言われているのよ~

ダンテの『神曲』の世界へようこそ!作者ダンテ・アリギエーリとあらすじをわかりやすく解説。

天井のモザイク画の修復

前回の修復作業は1898年から1907年にかけて行われましたが、約100年を経て、今年2023年から足かけ6年の予定で修復作業が行われることになりました。
 

その修復面積はなんと1,000㎡超え…!テニスコート5面分に相当する広さだそうです。
ちなみにプロジェクト総費用は10億円を超えるのだとか…。
 

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

サン・ジョヴァンニ洗礼堂のモザイクは、トータルで1億個のモザイクの組み合わせでできているのよ~規模の大きさがなんとなくイメージできるかしら?

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

…なんか、数字が大きすぎて逆にわかりません…

いずれにしても、直すべき箇所の調査や状態の把握、そして実際の修復作業へと移るわけですが、なにせ構成している部品が多いので果てしない作業になることは想像できますね…

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

だからお金も時間もかかるわけね~

洗礼堂の修復の軌跡と予定

実はこの10年ほど、洗礼堂はコツコツと色々な場所を修復してきました。
 

2014年から2015年
外観の修復

プロジェクト費用200万ユーロ

2017年から2022年
内部の壁の修復

プロジェクト費用260万ユーロ

2022年
モザイク画の修復計画と足場の建設、文献調査
2023年から2028年(予定)
天井モザイク画の修復

プロジェクト費用1000万ユーロ!

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

ぜんぶ足したら大変な金額に…

ガイド学校の先生カテリーナ
ガイド学校の先生カテリーナ

フィレンツェのシンボルでとっても大事な場所だからね~

修復現場の見学が可能

修復中は、洗礼堂への入場は可能ですが、天井画の部分は足場を組んで覆われているため、見学することができません。
ただ、洗礼堂を管轄する大聖堂美術館が催行するツアーに参加すれば、修復現場を見学することができるんです!しかもこれはなんと史上初の試みだそう。
 
修復現場を見学するツアーは、事前の申し込みが必要です。入場料としては決して安くはありませんが、この偉大な歴史を誇るモザイク画を間近で見られる貴重な機会でもあります。

修復現場のツアー内容

2023年2月24日から見学可能!

  • 値段:65ユーロ
  • 人数:10名
  • 時間:(イタリア語ツアー)金曜日17.00~、土曜日15.30~/(英語ツアー)金曜日11.00~、土曜日11.00~
  • 申し込み方法:Opera di Santa Maria del Fioreへツアー依頼
    電話: +39 055 2302885/Fax: +39 055 2302898
    Email: commerciale@duomo.firenze.it または booking@duomo.firenze.it

ツアー参加の際の注意事項

  • 体調に不安がある人、持病がある人、妊娠中の人などは見学を避けること
  • 14歳未満の見学は不可
  • 18歳未満は大人の同伴が必要
  • 動きやすくかつ宗教施設にふさわしい服装であること(露出の多い服装やサンダル、帽子、サングラスは不可)
  • スニーカーなど、底がゴムでかつ開いた部分がない(サンダルのように足の指などが出ない)靴をはくこと。革の靴底やヒールは不可
  • 大きな荷物や傘など、作品や人に損傷を与える可能性があるものは持込不可
  • 以下はすべて禁止…身を乗り出すこと、携帯電話の使用、写真やビデオの撮影

その他参考情報

  • 修復現場は高さ17m、6階構造で110段の階段あり(エレベーターなし)
  • 集合時間の前後5分以内に集まること
  • 見学時間は約60分
  • 安全ヘルメット(現地にて配布)の着用が義務付けられる
  • 服装規定など、ガイドの指示に従わない場合は見学を断られる(チケット代の返金無し)

Azu
Azu

高いけど、貴重なチャンス…!見てみたいですね~

不明な点は公式サイトへ

修復作業見学ツアーの予約方法やその他不明点はOpera di Santa Maria del Fioreへ直接お問い合わせください。
電話: +39 055 2302885
Fax: +39 055 2302898
Email: commerciale@duomo.firenze.it または booking@duomo.firenze.it