芸術の国・イタリアではすべての人に国立美術館・博物館を無料で開館する!という懐の深い日が年間に数日設定されています。
教科書で見たような有名な絵画や彫刻、貴重なジュエリーや古の遺跡など、普段なかなか見ることのできない美術にも気軽に近づき、親しんでもらおうという趣旨で設定されたもの。
気軽に有名な芸術品に近づけるのは嬉しい!でも、その分、人気の場所では有名アトラクション並みの行列になるというデメリットも…。どの日にどの施設が対象になるのか、以下にまとめましたので、旅の計画のご参考にどうぞ♪
目次
国立美術館の無料入場日とは
もともと、2014年7月に始まった「月の第一日曜日は国立美術館が無料!」というシステム。
芸術に親しむ機会が少なくなってきた現代人に向けて、せっかくの国の至宝にきちんと近づいて楽しんでもらおう!という趣旨で制定されたのよ~
一時システムが変更されたり、Covidによる混乱で停止されたり、と色々ありましたが、2022年4月からこのシステムが再開されることになりました。
2024年の無料入場日
2024年の無料開放日…月の第一日曜日+α
第一日曜日以外に対象日が3日追加されています!(2023年4月~)
- 1月7日
- 2月4日
- 3月3日
- 4月7日
- 4月25日【解放記念日】
- 5月5日
- 6月2日=【共和国記念日】
- 7月7日
- 8月4日
- 9月1日
- 10月6日
- 11月3日
- 11月4日【国家統一と軍隊の日】
- 12月1日
さて、とはいえ
国立美術館ってドコ??
という疑問にお答えして、以下に主要な施設をお知らせします!
イタリアの主要な国立美術館
今回のこの制度の対象は国立の美術館、博物館、遺跡などです。
有名な美術館でも、例えばバチカン美術館は対象外(=バチカン市国であってイタリアではないため)、フィレンツェのヴェッキオ宮殿など運営元が国立ではないところはこの制度の対象ではありません。
※独自に無料開放日を設定しているところもあります。
また、教会は基本的に宗教施設であって、国立美術館ではないことがほとんどですので、これまたほぼ制度の対象外です。
というわけで、主要都市の地域ごとの対象施設一覧は以下の通りです。
※無料入場日であっても予約が必要な施設があります。
ラツィオ州(ローマ他)
- ヴィット―リオ・エマヌエーレ2世記念堂/Monumento a Vittorio Emanuele II (Vittoriano)
- ヴィッラ・ジュリア国立博物館/Museo nazionale etrusco di Villa Giulia
- ヴィッラ・アドリアーナとヴィッラ・デステ/Area archeologica di Villa Adriana
- オスティア・アンティカ/Area archeologica di Ostia antica
- カラカラ浴場/Terme di Caracalla
- 国立楽器博物館/Museo nazionale degli strumenti musicali
- コルシーニ宮殿/Galleria Corsini
- コロッセオ/Colosseo
- サンタンジェロ城/Museo nazionale di Castel Sant’Angelo
- スパーダ絵画館/Galleria Spada
- ディオクレティアヌス浴場/Terme di Diocleziano
- バルベリーニ宮殿/Palazzo Barberini
- パンテオン/Pantheon
- ヘンドリック・クリスチャン・アンデルセン美術館/Museo Hendrik Christian Andersen
- フォロ・ロマーノとパラティーノの丘/Foro romano e Palatino
- ボルゲーゼ美術館/Museo e Galleria Borghese
- ルイージ・ピゴリーニ国立民俗博物館/Museo delle Civiltà
- ローマ国立近代美術館/Galleria nazionale d’arte moderna e contemporanea
トスカーナ州(フィレンツェ他)
- アカデミア美術館/Galleria dell’Accademia
- アンドレア・デル・サルトのチェナーコロ/Cenacolo di Andrea del Sarto a San Salvi
- ウフィツィ美術館/Galleria degli Uffizi
- カステッロのメディチ別荘/Giardino della Villa medicea di Castello
- 国立バルジェッロ美術館/Museo Nazionale del Bargello
- メディチ家礼拝堂/Cappelle Medicee
- ピッティ宮殿(パラティーナ美術館、近代美術館、衣装博物館、陶器博物館、大公たちの宝物殿)とボーボリ庭園/Galleria Palatina, Galleria d’Arte Moderna, Museo della Moda e del Costume, Museo delle porcellane, Tesoro dei Granduchi & Giardino di Boboli
- フィレンツェ国立考古学博物館/MAF Museo archeologico nazionale di Firenze
- ペトライアのメディチ別荘/Villa medicea della Petraia
ヴェネト州(ヴェネツィア他)
- アカデミア美術館/Gallerie dell’Accademia
- フランケッティ美術館(カ・ドーロ)/Galleria Giorgio Franchetti alla Ca’ d’Oro
ロンバルディア州(ミラノ他)
- レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐/Museo del Cenacolo Vinciano
- ブレラ絵画館/Pinacoteca di Brera
- マントヴァのドゥカーレ宮殿/Museo di Palazzo ducale di Mantova
カンパーニャ州(ナポリ他)
- 青の洞窟/Grotta Azzurra
- サンテルモ城/Castel Sant’Elmo
- ナポリ国立考古学博物館/Museo archeologico nazionale di Napoli
- カポディモンテ美術館/Museo e Real Bosco di Capodimonte
- ナポリ王宮博物館/Palazzo Reale di Napoli
- ポンペイ遺跡(考古学公園)/Parco archeologico di Pompei
- カゼルタ宮殿/Reggia di Caserta -Palazzo Reale
その他のエリア、上記以外の対象施設
以下のサイトで検索ができます。対応言語はイタリア語のみです。
美術館無料開放日のメリット・デメリット
メリット
やっぱりこれは無料!!ということに尽きるでしょう…
たくさん美術館をまわると、入場料がかさんできます(ローマのローマパスやフィレンツェのフィレンツェカードなど、都市によってはお得なフリーパスを作っているところもあります)。日本の入場料に比べると割安な設定の施設が多いですが、それでも無料にはかないませんよね。
デメリット
でも、デメリットもあります。それは、この対象日には事前予約ができないということ。
誰にでも無料に開放するわけですから、普段だったら入場料が高くて敬遠する地元の人だってこの機会に見たい!と思うわけです。
というわけで、特に人気のある美術館などは朝早くからたくさんの人が列を作って恐ろしく並ぶことになります…
フィレンツェで一番人気のウフィツィ美術館などは、早朝からものすごい人の列が、美術館のアーチの下をぐるりと回ってさらにシニョーリア広場まで飛び出して…という状態。。
どうしても無料で入りたい!!という場合は、この無料入場日を狙って滞在するのもいいと思いますが、せっかくの貴重な時間をひたすら並んで過ごすのはもったいないような気も…
こういった事情もしっかり踏まえて、楽しい旅の計画を立ててくださいね!