花の都フィレンツェは、またの名を「天井のない美術館」と呼ばれる美しい街。
レンガ色の屋根に覆われた整った街並みを上から見下ろしてみるとその絶景に感動します!
フィレンツェの街を見渡すことのできる、代表的な絶景スポットは3つ。
- ドゥオモのクーポラ(114m)
- アルノルフォの塔(ヴェッキオ宮殿)(95m)
- ジョットの鐘楼(84.7m)
今回は、高さはフィレンツェ第3位の『ジョットの鐘楼<伊:Campanile di Giotto / 英:Giotto’s Bell Tower>』をご紹介します。
目次
『ジョットの鐘楼』とは
プロフィール
そもそも『ジョットの鐘楼』って…なぁに??
というあなたに、基本プロフィールのご紹介です。
名前(読み方) | ジョットの鐘楼(じょっとのしょうろう) |
住所 | Piazza del Duomo, Firenze |
建設年 | 1298-1359 |
設計者 | アルノルフォ・ディ・カンビオ、ジョット・ディ・ボンドーネ |
何の建物? | ドゥオモ付属の塔。時を告げる鐘をつるしている |
建築スタイル | ゴシック様式 |
高さ | 84.7m(フィレンツェ市内第3位!) |
階段数 | 414段(エレベータ―なし!) |
建物の幅 | 一辺14.45m |
壁の厚み | 3.1m~3.6m |
アクセス
『ジョットの鐘楼』はフィレンツェの宗教の中心地、ドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)のすぐ南隣にある細長い建物。
フィレンツェの玄関口、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からは徒歩で10分ほど、フィレンツェの観光地のほぼ中心にあります。
営業時間
営業時間はこちらの記事をどうぞ。
ドゥオモ、クーポラ、ジョットの鐘楼、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ドゥオモ付属博物館、サンタ・レパラータ教会遺構営業日の確認は公式サイトThe Opera di Santa Maria del Fioreで出来ます。
チケットの買い方
チケットは、オンライン(公式サイト)または以下のチケット売り場のいずれかで購入できます。
- 大聖堂南側チケット売り場
入り口がものすごく狭くて見落としそうです…が、よく列ができているのでわかります。入口の両サイドにブルネレスキとアルノルフォ・ディ・カンビオの大きな像があります。
窓口は2つありますが、入り口・空間ともに狭いので、混雑しています。
- ドゥオモ付属博物館では以前、チケットを売っていましたが、現在は販売していません。
- トイレのある場所にもチケット売り場がありましたが、現在は販売していません。
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『ジョットの鐘楼』は2023年5月から時間指定の完全予約制となったため、それほど長い列に並ぶ必要はありません。
上るのはエレベーターがなく、階段のみですので頑張って上りましょう!もちろん、歩きやすい靴で。
普通のペース(※)で上ってひとしきり写真撮影後、降りてくるまでの所要時間は大体1時間弱。
※上る速さは一般的な大人の速度、3回ある踊り場ごとに少しずつ休憩するイメージ。
もっとゆっくり休憩を長めにとったり、写真撮影など上での時間を長めにとった場合はもう少し時間が必要です。
『ジョットの鐘楼』の歴史
『ジョットの鐘楼』の建設が開始されたのは1334年、その名を冠する当代人気の画家であり建築家であったジョット(Giotto di Bondone / 1267?-1337)が工事長に任命されたときからでした。
ジョットは実は画家としての功績がとても大きいの。彼のおかげで絵画界に大改革がもたらされたのよ!
▶詳しくはこちら!
ジョットの『荘厳の聖母』これなくしてルネサンスは語れない、大事な作品!実は、設計そのものはアルノルフォ・ディ・カンビオがドゥオモ本体の設計を行ったときの構想段階(1298年)で既に含まれていました。ジョットはその計画を引き継ぎ、さらに外側のレリーフ装飾を構想し建設にとりかかります。
その後、協力者であったアンドレア・ピサーノ(Andrea Pisano / 1290-1348)が工事を引き継ぎます。彼はジョットの構想デザインを残しつつ、オリジナルテイストも加えて2層目までを完成させたところで、
1348年、ヨーロッパ中に猛威をふるったペスト(黒死病)の犠牲になって死去。
ピサ出身のアンドレア・ピサーノは、フィレンツェでもとても大事な仕事をしたの。サン・ジョヴァンニ洗礼堂の南扉の作者でもあるのよ
アンドレアの死後はフランチェスコ・タレンティ(Francesco Talneti / 1300-1369)が工事を引き継ぎ、現在の姿に完成させました。
(窓といっても実際にはガラスなどはなく、開放されています)
完成したのは1359年、アルノルフォ・ディ・カンビオによる構想からは60年ちょっとが過ぎた頃でした。
ちなみに、フランチェスコ・タレンティは後にジョットの娘と結婚したので、義親子共作ということになるわね!二人がウエディングベルを鳴らしたのはまさにここ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂で結婚式を挙げたの♡
実際に上ってみると
てっぺんまではすべて階段で414段。往復とも同じ階段を使いますので、降りてくる人とすれ違います。
それほど広い幅ではないので、譲り合いの精神で!!
とはいっても、ひたすららせん階段が続くクーポラよりは、ずいぶん上りやすい階段幅になっていますよ!
ジョットの鐘楼』のいいところは、途中に適度に休憩ができる「踊り場」が出てくるところ♪
外から見るとランセット窓のあるここの部分で、3回休むことができます。
下の方は階段の幅がそこそこ広いですが、上になるにつれてどんどん狭く、ぐるぐる回るらせん階段へ。
でも、だんだん景色が遠くまで見えてきたり、ドゥオモの壁面装飾を間近で見れたりするのはとても面白いです!
頑張っててっぺんまで上れば、そこから見えるのはフィレンツェ一望の絶景!!
クーポラもこんな間近に。
この景色はここからでしか撮れません!クーポラに上ると、自分がその上にいるから、クーポラそのものの写真は楽しめませんからね…
『ジョットの鐘楼』は『クーポラ』よりもおすすめ
個人的には『ジョットの鐘楼』は『クーポラ』よりもおすすめなんですが、それはこんな理由です!
- クーポラが間近に見える!!
- 階段がやや広いので上りやすい!!
- 定期的に踊り場があって休憩しやすい!!
もちろん、体力と時間に余裕がある場合は両方試してみるというのもアリですよ。
でも、やっぱりもうちょっと楽な階段希望!の場合は、高さ第二位の『アルノルフォの塔』がおすすめです(予約推奨)