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UFOはいつからいたの?15世紀フィレンツェで目撃証言!?

UFO。unidentified flying object、『未確認飛行物体』です。

 

見たことがありますか?いやむしろ、信じてるかな??

 

ちなみに私は見たことがありません!(`・ω・´)

でも、もしかしてもしかしたら…いるかも。ぐらいに思ってます。

 

で、普段、UFOのこと考えることなんてないんだけど、ふと疑問に思いました。

 

UFOっていつからいたんだろう??

 

まぁ答えを先にいうとそれは知らないんですが、15世紀つまり600年前のフィレンツェに目撃証言があったのです!!(たぶん)

 

UFOのマドンナ(聖母)

さて、今回話題の作品「UFOのマドンナ」はこちら。

 

UFOのマドンナ

キリスト降誕
(UFOのマドンナ)
トンド・ミッレルの親方, 15世紀
ヴェッキオ宮殿, フィレンツェ

 

テーマ自体はさほど珍しくはない、「キリスト降誕」。

 

中心にいるのは聖母マリア、ひざ元には手前にイエス、後ろからイエスを抱っこしようとしているのがちびっ子洗礼者ヨハネです。

 

ちなみにこのテーマの場合、聖母子だけでなく父ヨセフが描かれることも多いんですが、今回はお父さん不在なのね…と思ったら、

 

いた!!

 

でも、

 

ちっちゃ!!!

 

旅好きナナミちゃん

ちょっと、この扱いはかわいそうね…笑

 

この作品、作者はマエストロ・デル・トンド・ミッレル<ミラー>(Maestro del tondo Miller)、日本語でいうと「トンド・ミッレルの親方」つまり不詳…。

 

ガイド学校の先生カテリーナ

トンドというのはこういう円形の絵のことを全般的にそう呼ぶので、トンド・ミッレルというのは持ち主ミッレル家の円形の絵、という意味になるわ

 

正式には不詳ですが、一応研究者のあいだでは、作者は

 

  • フィリッポ・リッピまたはその工房
  • セバスティアーノ・マイナルディ(Sebastiano Mainardi)というギルランダイオの義弟
  • フィリッポ・リッピの弟子だったヤコポ・デル・セッライオ(Jacopo del Serraio)

 

のいずれかということで意見が分かれているようです。

 

いずれにしてもそれほど名の知れた芸術家ではない可能性が大。

 

これがあるのは、フィレンツェの現市役所でもあるヴェッキオ宮殿最上階の「ヘラクレスの間」。

 

ヴァザーリによる天井のフレスコ装飾がみごとでついついそちらに目を奪われるんですが、この部屋の片すみにぽつんとこの作品が飾られています。

 

ではこの作品の聖母、どこらへんがUFOなのでしょうか??

 

あれはなんだ…UFO!?

 

では細かく見てみましょう。

 

聖母の顔に注目…ではなく、その後ろ!

 

 

これは!!

 

まぎれもなくUFO(未確認飛行物体)じゃないですか!

 

だって、飛んでるし未確認だし!

 

しかも下で見上げてる人、おでこに手をあてて「あれはなんだ…!?」ってジェスチャーしてるし。

 

カメラの解像度が低いので写真で伝わらないのが残念ですが、これ周りをぴかぴかと黄色い光線が包んでるんですよ。
 

そしてUFOの目的といえば…

 

UFOに連れていかれる人

 

今度は聖母マリアの左側に注目!!

 

 

旅好きナナミちゃん

あっ…!!!

 

3人ほど連れていかれてる…!?

 

なんだか謎のかたまりに吸い込まれそうになっています。

 

この一連の背景を見た後に手前のイエスに視線を戻すと…

ちょ、やばいよ、後ろ、なんか変なの来てるよ!!」って表情に見えてしまう…

 

そして聖母マリアとちびっ子ヨハネの表情は「へ?」って感じ。

 

UFOがいつから存在したのかわかりませんが(いやそもそも存在するのかどうかもアレですが)、もしかしたらこの時代のフィレンツェで何か不思議なものが目撃される事件があったのかもしれませんね。

 

旅好きナナミちゃん

どんな大騒ぎしてたか想像すると、ちょっと面白い!

 

これはホントにUFOなのか?

 

それは、わかりません。

 

私はきっと、何か不思議なものが目撃されたのが話題になっていて、作者がイタズラ心で加えたんじゃないかなぁと思いますが…

 

旅好きナナミちゃん

もしかしたら後で誰かが落書きで足しちゃったとか…?

 

それも違うみたいなんです。

 

この作品の中にUFOらしきものがある!と発見され話題になったのは1978年のフィレンツェ

 

1978年って奇しくもこの曲が大流行りした年!!

 

UFOの聖母の話に戻って、

イタリアで作品を修復後、アメリカでも研究・分析がされた結果、この作品は間違いなく15世紀のオリジナルであり、後世になって手が加えられてものではないと結論づけられました。

 

ちなみに、研究者の間では公式(?)には「光り輝く雲」、つまり聖書外典の「ヤコブの原福音書」に登場する、キリスト降誕の瞬間を照らし出す雲を描いたものだという見解になっているそうです。

 

ガイド学校の先生カテリーナ

聖書は4つの福音書や使徒への手紙などからできていて、イエスや聖母マリア、使徒の生涯や言行が書かれたもの。聖書外典っていうのはイエスやマリアについて書かれたものだけど、結果的に聖書に入れられなかった書物のことをいうのよ

 

というわけで、作者がホントに何を描いたのか、今となっては謎のままですが、こんな作品がたまにあっても面白いですね!

ちなみに宮殿的にもUFO押しなのか、明らかにここがはっきり見えるようなライティングがされているのも興味深い。

 

ヴェッキオ宮殿観光情報

この「UFOのマドンナ(聖母)」は、フィレンツェの政治の中心地ヴェッキオ宮殿の中にあります。

この宮殿は1299年に建設が開始されてから、市民やメディチ家による増築や内部の装飾などがされ、フィレンツェの長い歴史で常にそのシンボルでした。

 

見た目も巨大ですが内部はまるで迷路のよう!

実は隠し階段や隠し部屋もたくさんあるんですよ。

角を曲がるごとに別の世界が広がって、その豪華さにはただただ驚きます。

 

フィレンツェの観光の中心地、ウフィツィ美術館のすぐ隣。

 

絶対行くべき観光スポットのひとつです。

 

ヴェッキオ宮殿、アルノルフォの塔、古代ローマ劇場遺跡

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