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イタリアのカーニバル(カルネヴァーレ)、期間限定のお菓子に注目!

カーニバルのお菓子「チェンチ」

カーニバル特集の記事、最終回です。

2月の2週間ほどに渡って続くカーニバル、この期間限定で食べられるお菓子があります!

キアッキエーレ / Chiacchiere

カーニバルのお菓子「チェンチ」

このお菓子は、イタリアのほぼ全国で食べられるもの。

小麦粉、バター、砂糖、卵というクッキーとほぼ同じ材料で作られ、サクッと揚げてお砂糖をまぶしたものです。

中は空間が出来ているので軽いんですが、だからと言っていっぱい食べたらお腹にたまっちゃう…

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

それにカロリーも心配よね…

地域・家庭によってレシピは少しずつ違いますが、材料はほぼ同じ(ハチミツやチョコレートを加える場合も)で形は細長く、端をギザギザにすることが多いよう。

伝統的な作り方では揚げますが、最近はオーブンで焼いたものも見かけるようになりました。

料理男子のポールくん
料理男子のポールくん

ちなみに、イタリア各地で作られるこのお菓子、地域によって呼び名が違いまーす!

イタリア北西部はブジエ(bugie)、北東部はクローストリ(cróstoli)、中部トスカーナはチェンチ(cenci)ストゥルフォリ(strufoli)、ローマではフラッペ(frappe)…などなど。

キアッキエーレと呼ぶのは南部バジリカータ州、プーリア州、カラブリア州、カンパーニャ州、シチリア州など。

いちばんわかりやすいのはラヴェンナのピッツェ・フリッテ(pizze fritte)=揚げピッツァかな。

Azu
Azu

それにしてもややこしいな!!(; ・`д・´)

でも、美味しいんです♡ちょっと(かなり)甘いけど…

スキアッチャータ・フィオレンティーナ /
Schiacciata Fiorentina

これは名前の通りフィレンツェで食べられるお菓子!

※フィオレンティーナは「フィレンツェの、フィレンツェ風の」の意味

普通、スキアッチャータと言えば、パニーノなどに使われるパン(フォカッチャとも言います)を指します。

こんなの。甘くはなく、塩っ気があります。

具のないシンプルなものから野菜やソーセージが入ったものまで、種類色々スキアッチャータ(フォカッチャ)

でも後に「フィオレンティーナ(fiorentina)」とついたら…

こうなる!!

料理男子のポールくん
料理男子のポールくん

ちゃんとフィレンツェの紋章が入ってまーす

どうしてこの二つが同じ名前なのかというと、「スキアッチャータ(schiacciata)」とは踏みつぶされた(もの)、押しつぶされた(もの)、という意味だからなんです。

材料は小麦粉、砂糖、卵、牛乳、オリーブオイル、オレンジ、酵母。

上にもお砂糖がたっぷりふりかけられて、甘いんですがとっても美味しいんです♡

料理男子のポールくん
料理男子のポールくん

スキアッチャータ・フィオレンティーナには色々ルールがありまーす

料理男子のポールくん
料理男子のポールくん

まず、焼きあがったあとの高さが3cmを超えてはいけませーん。そして、柔らかくないとだめでーす

見た目通り、カステラのような食べ物なんですが、間にクリームを挟んだものもあります!甘いものに目のないイタリア人に愛されるよう進化しているわけですね。

ちなみにクリーム入りは、お値段は普通のものの2倍近くします。

そしてフィレンツェ人みんなが大好きなこのお菓子、毎年どこが一番美味しい!?を決めるコンテストも開かれています。

フィレンツェで「一番」美味しいスキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ、2023年その栄光に輝いたのは!?

ベルリンゴッツォ / Berlingozzo

これも実はトスカーナ限定・カーニバル限定のお菓子。発祥はフィレンツェより40kmほど西にあるピストイアという町、15世紀には既に食べられていたとされています。

簡単にいうと大きいドーナツで、卵、小麦粉、砂糖、酵母、バター、牛乳少しにレモンまたはオレンジを加えて作ります。

料理男子のポールくん
料理男子のポールくん

他のお菓子はカルネヴァーレ期間を通して食べますが、このお菓子だけはジョヴェディ・グラッソに食べまーす

ジョヴェディ・グラッソとは?

2月のイタリアはカーニバル(カルネヴァーレ)が熱い!!

ベルリンゴッツオ(Berlingozzo)の語源はラテン語の「berlengum」または「berlengo」、意味はテーブル、食卓。

この言葉を語源とする「berlengare(ベルリンガーレ)」という動詞が生まれたそうです。

料理男子のポールくん
料理男子のポールくん

意味はたらふく食べてワインを飲んで、そのままテーブルでぺちゃくちゃおしゃべりすることでーす

旅好きナナミちゃん
旅好きナナミちゃん

動詞ひとつでそこまで意味するのがすごいね…

それはともかく、フィレンツェの伝統ではこのジョヴェディ・グラッソは、言わば「食卓に捧げられた日」。

つまり、来るべき節制の期間に向けてみんなで食卓についてしっかりと食べ、冗談を言って暴飲暴食をする日。

この日の食事の最後の締めが、このベルリンゴッツォ。

とにかくたくさん(特に肉を)食べるべき日なので、こんなことわざまで。

Per berlingaccio, chi non ha cicia mangi il gattaccio!
『ベルリンガッチョの日なのにやせっぽちな(=貧しい)やつは、猫でも食べとけ!』

料理男子のポールくん
料理男子のポールくん

昔はうさぎの代わりにネコを食べていたそうでーす。今でも食べる人はいると聞いたことがありまーす

冗談交じりにこんなことをいう人も。

「みんなジョヴェディ・グラッソの(たらふく食べて)太ったことをお祝いしてるけど、僕は毎日太ってるのに誰もお祝いしてくれないよ」

そしてカーニバルはおしまい!

そしてこの日を終えると、カーニバルの終わりの日、「マルテデイ・グラッソ」を迎えます。

この日は、古くは夜の23時頃、通称「肉の鐘(le Campane della Carne)」と呼ばれる鐘がフィレンツェのいくつかの教会で鳴らされました(今はこの風習はないと思います)。

これは禁欲期間のクァレジマがもうすぐで、どんな冗談も許されるカルネヴァーレの期間が終わりに近づいていることを知らせるためのもの。

この時にまだ食卓でのんびり食べていた人は急いで食べ終わって片づけなければなりません。

そして真夜中に「カルネヴァーレ王」のかかし人形をかがり火で燃やし、すべて終わり。これで全部の罪は灰になって、新しい日々が始まるのです。

なんだか色々可哀想なカルネヴァーレ王のお話は、こちら

イタリアの昔話「カルネヴァーレの王様(Re Carnevale)」

おしまい!