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5月23日、サヴォナローラの命日「Infiorata」

5月23日、サヴォナローラの命日に行われる行事「Infiorata」

フィレンツェのシニョーリア広場にポツンと埋め込んである円い石。

 

ここは、500年前にサン・マルコ修道院長だったジローラモ・サヴォナローラが火刑に処された場所。

 

数世紀を経たいま、この歴史的事件を記念するための伝統行事「Infiorata」が彼の命日5月23日に執り行われています。

※infiorata(インフィオラータ)は「花で飾られた」の意味

※ジローラモ・サヴォナローラについてはこちら

世紀末のフィレンツェはサヴォナローラの支配下に…ボッティチェリにも影響!

サヴォナローラが処刑された場所

サヴォナローラが処刑されたシニョーリア広場には、その地点を示す石が埋めてあります。

 

場所は、ちょうど「ビアンコーネ(Biancone)」と呼ばれるネプチューンの噴水(現在修復中)の前あたり。

 

サヴォナローラの処刑地点を示す石

 

石碑にはこう書いてあります。

 

QUI DOVE CON I SUOI CONFRATELLI FRA DOMENICO BUONVICINI E FRA SILVESTRO MARUFFI IL XXIII MAGGIO DEL MCCCCXCVIII PER INIQUA SENTENZA FU IMPICCATO ED ARSO FRA GIROLAMO SAVONAROLA DOPO QUATTRO SECOLI FU COLLOCATA QUESTA MEMORIA

訳:ここに兄弟修道士のドメニコ・ボンヴィチーニとシルベストロ・マルッフィとともに1498年5月23日に不公平な裁定により絞首刑および焼身刑に処されたジローラモ・サヴォナローラ修道士を記念して4世紀を経て置かれた

 

サヴォナローラの処刑
『サヴォナローラの処刑』15世紀末のフィレンツェの画家(フランチェスコ・ロセッリ?), 1498年頃, 板絵, サン・マルコ美術館(フィレンツェ)

現在では、毎年命日の5月23日には、この石の上に棕櫚の葉(=殉教)と花が置かれる、「infiorata」と呼ばれる行事が行われます。

 

もともとはサヴォナローラが処刑された翌日、彼を信奉していた人々により敬意と弔いの花束が置かれたことに由来するもの。

 

現代ではこの歴史的事件を記憶するために、当時を再現した歴史行列がシニョーリア広場からヴェッキオ橋へと続きます。

 

ヴェッキオ宮殿「プリオーリの礼拝堂」

5月23日の朝、ヴェッキオ宮殿内の「プリオーリの礼拝堂」にてミサが行われます。

プリオーリの礼拝堂

 

シニョーリア広場

その後、シニョーリア広場の石碑のところに歴史行列がやってきて、花を捧げる儀式を行います。

 

AM 9:30 まだ準備中…

花束 infiorata

 

この時点ではまだ、小さな花束がポツンと置かれているだけ。

 

もしこの行事のことを知らなかったら、昨日の晩に何か事件か事故でも起こったのでは!?と思ってしまいそう。

 

ちょうどこの時間帯は、ヴェッキオ宮殿内の礼拝堂でミサが行われているはず。

 

AM 10:00 花輪を追加!

infiorata

 

どこからともなくやってきた係りの人が、大きな花輪を置きます。

 

色んな角度からチェックして、OK!!となったよう。

 

AM 10:15 歴史行列の入場

シニョーリア広場の西側から、歴史行列が入場してきました。

 

フィレンツェの伝統行事と言えばこの行列がほぼ登場してくるんですが、実はこの役に選ばれるのって結構厳しいんですよ。

 

infiorata サヴォナローラ

infiorata サヴォナローラ

infiorata サヴォナローラ

 

 

サヴォナローラはドメニコ会の修道士だったので、同じくドメニコ会の人々も行列に加わっています。

infiorata サヴォナローラ

全員が入場し終わったところで、先頭の男性が口上を語ります。

infiorata サヴォナローラ

代表して一人の男性が石碑のところに行き、祈りを捧げます。

infiorata サヴォナローラ

 

 

その後、石碑の周りをゆっくりと行進しながら、女性たちが花びらを石碑の上にまきます。

 

5月23日、サヴォナローラの命日に行われる行事「Infiorata」

 

行列は広場を出て、ヴェッキオ橋へ。

 

ヴェッキオ橋

ヴェッキオ橋の中ほどから、かつてサヴォナローラの遺灰がまかれた史実にならって、行列の人々が花びらをアルノ川へとまきます。

infiorata ヴェッキオ橋から

infiorata ヴェッキオ橋から

 

これで行事はおしまい。また来年、同じく5月23日に再び花束が置かれるまで、石碑はひっそりと出番を待つのです。