イタリアは、魅力的な都市がたくさん。
永遠の都ローマ、花の都フィレンツェ、水の都ヴェネツィア…
旅好きナナミちゃん
イタリア人ガイドマーク先輩
せっかくはるばる日本から行くなら2~3都市はまわりたい!
でも、正直、慣れない海外で、言葉もそんなに自信ないし、治安もちょっと心配…
でも、やり方さえわかっていれば、思い切って実行あるのみ。不安に思うばかりじゃなく、飛び込んでみたら意外と簡単に行くことも多いんですよ。
いつでもどこでもバスで楽々の団体ツアーもいいけれど、自分らしい旅を楽しみたい!というあなたのために、イタリア国内移動の方法と注意点を、体験談を交えてお伝えします!!
目次
電車の移動
イタリア国内の大きな都市間は日本で言う新幹線のような高速列車が走っていますので、これらを上手に利用して効率よく移動しましょう。
代表的な列車の種類は以下5つ。
- トレニタリア(フレッチャロッサ、フレッチャアルジェントなど)
- イタロ
- インターシティ
- ローカル線(レッジョナーレ)
- ローカル線(その他)
1. トレニタリア(Trenitalia)
日本でいうJR、イタリアの旧国鉄。北から南まで、ほぼ全国を網羅しています。
主要な都市間はフレッチャシリーズ(ロッサ、アルジェント、ビアンカ)という高速列車が走っていて、日本の新幹線みたいなものだと考えていただければOKです。
切符はオンラインで購入でき、基本的に予約が早ければ早いほど割安な価格で購入できます!!
例えばフィレンツェ~ローマ間は高ければ約70ユーロ、安ければ約20ユーロと大きな差が出ます。
最近は外国の旅行客向けに、多言語対応のサイトが作られました(日本語版はこちら)。
※ただし、こちらのサイトを使った場合、切符代以外に販売手数料が8€かかるようです。
イタリア語、英語(ほかフランス語、ドイツ語、中国語対応)の公式サイトは切符代のみで購入できます。
オンライン購入時は決済終了後、メールにてEチケットが送られてきますので、それを印刷して持参し、検札が来た時にそれを見せればOK。
スマホやタブレットの画面で見せても大丈夫ですが、故障や電池切れに備えて印刷したものも用意すると心強いですね!
万一、そのような場合に何も提示できなければ無賃乗車とみなされ、チケット代金の数倍~数十倍の罰金が科されます。
Eチケットの場合は乗車前の刻印はしなくて大丈夫。
ちなみに1等車と2等車では座席や客層等にさほど違いがなく、車内販売があるかどうかの差ぐらいだったと思います。
車内ではコンセントがついていますのでスマホ等の充電が可能です。
ローカル線のレッジョナーレに比べると、比較的車内は平和ですが、一応海外だということを忘れずに、一同全員眠ってしまうようなことのないように注意してくださいね!!
2. イタロ(Italo)
こちらもフレッチャシリーズと同じく高速列車で、フェラーリの会社が運行しています。
なので、車体は赤ベースに黒い窓と、デザインがとてもカッコいい!!
2012年から運行開始したばかりの新しい路線なので、車内はまだまだピカピカです。
当初は停車駅がメインターミナルではない(※)ことが多かったのですが、現在かなり拡張され、大きな都市ならほとんどの主要駅には停車するようになっています。
※メインターミナルではない駅:例えばローマならテルミニ駅ではなくティブルティーナ駅など
線路はトレニタリアのものを使います。
社内サービスなどはほとんど変わりませんが、チケット料金がトレニタリアと比べて安いこともあります(逆もあり)。
目的地がイタロの停車駅なら、両方の料金を比較してみるといいですね!
イタロの公式サイトはこちら(イタリア語、英語)。
この次の画面で支払情報を入力し、予約完了。
トレニタリアと同じく、Eチケットが送られてきます。
こちらは日本語対応サイトはありませんので、日本語で予約したい場合は、Omio等の手配代行会社を通す形になります(チケット代金+代行手数料が必要)。また、公式サイト以外で検索した場合、特定の列車が表示されないこともあります。
なお、運行会社が別なのでトレニタリアがストを決行する場合でもイタロはしないことがあります。
※ただしこの場合でも駅そのものが大変混乱しますので、電車は大幅に遅れることが多いです。
3. インターシティ(Intercity)
インターシティは、ヨーロッパ各国のローカル線でその主要な都市に停車する路線で、日本で言うと特急列車のような感じです。
旅好きナナミちゃん
夜行列車もあるので、早朝や深夜の電車を検索するとヒットすることが多く、探すときはトレニタリアのサイトで検索するとインターシティも同時に出てきます。
列車は全体的にやや古めのものが多いですが、びっくりするほど汚いわけではありません。
ただ、停車駅がフレッチャシリーズに比べやや小さ目の駅が多く(例えばフィレンツェならサンタ・マリア・ノヴェッラ駅ではなく、カンポ・ディ・マルテ駅やリフレディ駅など)中心地から離れた駅にのみ停車することがありますので、多少チケットが安かったとしても中心地に向かうのにさらにタクシー代が必要になることもあります。
停車駅数も多く少々時間がかかりますが、ローカル線よりは早く、フレッチャシリーズよりはのんびりと走りますので、電車移動そのものを楽しみたい方には向いているかもしれません。
チケット代自体は購入時期やその電車により前後します。
オンラインで購入する際はトレニタリアのサイトから予約できます。
4. ローカル線・レッジョナーレ(Reggionale)
トレニタリアのいわゆる各駅停車です。
片道1時間程度の近距離移動の際に便利です(例えばフィレンツェからならピサやルッカ、シエナなど)。
ただイタリアの小さな街や村は電車の駅から離れていることが結構ありますので、目的地までの交通手段はよく調べて行かないと、駅から先の交通手段がないこともあります(日本のように駅前でタクシーは待機していませんし、バスは1時間に1本だったりします)。
チケットは事前購入できますが、ストが起こったり、または全く何もない時でも列車がキャンセルされることもありますので、乗車直前に駅またはオンラインで購入するほうがいいでしょう。オンラインの場合、発車時刻の5分前まで購入できます。
駅では窓口のほか、券売機でも購入できます(機械によってはクレジットカードにも対応)。
また、県内の近距離なら駅構内のキオスクで買えることもあります。
5. ローカル線・その他
トレニタリアがカバーしていないエリアでは、小さな会社の運行するローカル線が走っていることがあります。
例えばかかとの辺り、プーリア州ではレッチェという駅がトレニタリアの終点ですが、その先に電車を使って行きたい場合はFSEというローカル線が走っています。
日本の田舎でも走っているような、1両または2両の電車でとてものんびりしています。
このあたりになるとストとか全く関係なく、例え始発駅であってものんびりと15分ぐらい遅れてやってくることも。
また、当然のように車内アナウンスはないし、駅名の看板も小さすぎて見えません。
なので、到着予定時刻の少し前ごろから、車掌さんや周りの人に、次の駅を確認することを強くおすすめします!
何せ乗り過ごすと折り返しの電車を1時間待たなければならない、などというのは当たり前のように起こります。
私の体験談:レッチェからのローカル線の旅
その①切符購入時…
Azu
係りの人
Azu
その②検札時…
係りの人
Azu
係りの人
自社のサイトなのに…?!(; ・`д・´)
なーんてことも起こるのがイタリア。
電車を利用するときの注意点
まず何よりも、ここはイタリア(ここ大事!)。
電車は時刻表通りに運行することを目指していますが(たぶん)、まぁまぁ遅れます。
というか、5分ぐらいだったら遅れたとは思っていません。
駅には電光掲示板で「〇分遅れ」と表示される欄がありますが、そもそも5分以内は表示されませんし、基本切り捨て表示なので例えば9分遅れなら表示は「5分遅れ」って感じですね。
それから、日本と違って車内アナウンスは、あまりありません(特にローカル線)。
高速列車の場合は次の停車駅が、車内の扉上部の電光掲示板(新幹線にもありますよね)に表示されています。
大きな駅は停まる手前からたくさんの駅名表示の看板が出るので見つけやすいですが、小さな駅の場合は看板も小さく、しかも一個だけ!ということもあり、見逃して乗り過ごしてしまうかも。
前もって大体着きそうな時間に周りの人や車掌さん、降りそうな人に次の駅を確認してみるといいでしょう。
もう一つ、日本にはない注意点としては、わりとしょっちゅうストライキが行われることです。
ストの規模は様々で、文字通り全列車が停止することもありますが、一部の列車だけ、もしくは一定の時間帯だけ、一定の区間だけなど色々なパターンがあります。
大体、ストが行われるときは2週間ぐらい前には情報が出てきますので、事前にネット検索するといいでしょう。
(「sciopero dicembre 」<=ストライキ 12月>など)
ただし、多くの場合がイタリア語表示になりますので、翻訳サイトを駆使してください!
突発的にストが開催されたら、それもまた運、ハプニングも旅の醍醐味だと思って、楽しみましょう♪
バスの移動
市内など近距離の移動
各都市にはバスの交通網があり、それぞれの都市の会社が運行しています。
ローマだとATAC、ミラノだとATM、フィレンツェだとAutolinee Toscaneという会社が運行しています。
多くの場合、バス・地下鉄・トラムなどは同じ運航会社がやっていて、同一チケットで一定時間内乗れる場合が多いです。
フィレンツェのバスの乗り方はこちら。
フィレンツェでバスに乗ってみよう!バスの使いこなし方徹底ガイド♪
遠距離の移動
これは市街の移動、例えばフィレンツェからローマ、ミラノなどの離れた都市や、フィレンツェからシエナなど、の距離の場合です。
地方によって様々なバス会社が運行しています。
サイト整備は残念ながら日本と比べてあまり進んでいません。
また、特に地方のバスでは英語も通じないことが多いので、語学が苦手な方は避けた方が無難です。
ただ、どうしてもバスでないと行けない小さな街や村というのもあるので、これらの場所に行きたい場合は都度検索するか、現地に着いてからホテルの人などに相談するのが良いでしょう。
ちなみに最近、利用者が急増している緑のバス「Flixbus」はローマ⇔フィレツェが7.9ユーロ~という格安価格設定。
大きい都市では市内中心部からやや外れたところにターミナルがありますが、時間はかかってもコストを抑えたいという場合は利用を考えてみてもいいかも。
タクシーの移動
主要都市では、メインターミナル周辺や大きな観光地周辺にタクシー乗り場があって、そこから乗ることができます。
または、ホテルに頼んで呼んでもらうことも可能です。
街なかを歩いているときには、基本的には流しのタクシーに出会える確率はそう高くはありませんので、タクシー乗り場以外だと電話して呼ぶ必要があります。
初乗り料金は日本よりはやや安めで、フィレンツェだと5ユーロ程度のことが多いです(会社や車のサイズによって変わります)。
※電話やホテルで呼んだ場合は、呼び出し料金も必要ですので少々上乗せになります。
フィレンツェでは、空港から市内までの料金は一律料金(下記画像参照、スーツケース一個につきプラス1ユーロ)ですので、空港で待機していたタクシーに乗ったにも関わらずもしそれより高い料金を言われたら、一律で決まっているはずだときっぱり伝えましょう。
ハイヤーを手配
郊外の小さな村やワイナリーなど、公共交通機関で行くことが難しい場所に行きたい場合は、運転手付きのハイヤーを手配するのもひとつです。
相場は1時間につき35~50ユーロほど、季節や乗車人数(車のサイズ)、移動距離により変わります。
会社によっては最低利用時間が決まっていることがあるので、予約時に確認しましょう。
ワイナリーやアウトレット巡りの場合は、タクシーで行くよりははるかに安くすみますし、アルコールを含む食事をしても安心ですので、利用を考えてみてもいいでしょう。
運転に自信のある方はレンタカー利用もいいかと思います。
ただ、イタリアでも酒運転は違法ですのでワイナリーに行かれる場合はおすすめしません。
ちなみに、車はほぼマニュアル車のみ、事前に日本で国外免許の取得が必要です。