各地にバラエティ豊かな名物料理がある国、イタリア。
ここフィレンツェのあるトスカーナ地方でもたくさんの伝統的な地元料理がありますが、今回はその中の一つ、主に夏に食べられる「pappa al pomodoro」というお料理をご紹介します!
目次
パッパ・アル・ポモドーロとは
「パッパ」は「(お粥のような)ご飯」とか子どもがいう「まんま」の意味。
ここから、「パッパ・アル・ポモドーロ」は日本語で「トマト粥」と訳されることもあります。
代表的なフィレンツェ料理
伝統的なトスカーナ(特にシエナの近く)の地方料理のひとつで、もともとは貧しい農民の料理でした。
パーネ・トスカーノという地元の塩なしパンが硬くなったものをトマト、にんにく、バジルと一緒に柔らかくなるまで煮込んだだけのとてもシンプルなお料理で、味付けは基本的にはエクストラバージンオイルと塩コショウのみです。
料理男子のポールくん
伝統的にはトマトとバジリコが美味しい夏の定番料理ですが、冬でも暖かいスープのようで美味しいです。
パッパ・アル・ポモドーロの起源
もともと、農村で硬くなってしまったパンを捨てないため、食べ物を粗末しないために作られていたお料理です。
また、キリスト教では、パンはキリストの体を表します。
これは聖書の中で最後の晩餐のとき、キリストがパンを裂いて「取って食べなさい。これは私の体である。」と言う場面の記述があるためなんですが、それゆえ昔はパンを捨てるなどということはご法度。
ガイド学校の先生カテリーナ
とはいえ今日では「貧しい料理」ではなく、ダイエットや栄養学的な観点から健康的な料理であるとさえ考えられています。
今ではとても有名になったパッパ・アル・ポモドーロ、フィレンツェを飛び出してイタリアに広まったのは1900年代初頭のこと。
その頃に書かれた「Gian Burrascaの日記」(Luigi Bertelli著/1907)の中で登場したことによって全イタリアに知られるようになりました。
パッパ・アル・ポモドーロのレシピ
材料
- トスカーナパン 300g
- トマト 500g
- 野菜のブロード 1リットル
- にんにく2かけ
- バジリコ 数枚
- エクストラバージンオリーブオイル 35g
- 塩、黒コショウ 適量
- 砂糖 一つまみ(お好みで)
作り方
- トマトは湯むきしてつぶしておく(トマト缶で代用してもOK)
- トスカーナパンを薄く(5mm~1cmぐらい)切り、重ならないように並べて200℃のオーブンまたはトースターで数分焼く
- 取り出して冷まし、冷めたらつぶしたニンニクをすりつける
- 3.のパンをフライパンに入れ、1.のつぶしたトマト(またはトマト缶)と野菜のブロードを入れる。パンに完全にかぶさった状態にする
- 砂糖ひとつまみを加え、弱火で4~50分、パンが柔らかくおかゆのようになるまで時々かき混ぜながら煮込む
- 塩コショウで味を調える
- 火を消してバジリコの葉を加える
- いただく前にたっぷりオリーブオイルをかけると美味しいです!
美味しくできましたか??
それでは、
料理男子のポールくん