クリスマス。
日本ではすっかり恋人同士のイベントとして認識されていますが、もとの由来はキリスト教から来ているって知っていましたか?
クリスマスの本当の意味と、その由来をご紹介します!
目次
「クリスマス」の由来
クリスマスはイエスの誕生日…じゃない
えっ、イエス・キリストのお誕生日じゃないの!?
うーん、そうね…一応は…
「一応」…??
実は、聖書には12月25日にイエスが生まれたとは一言も書いてありません。
えええええええ!!??そうなの!?
聖書に書かれているキリスト降誕のシーンは、こんな感じ。
イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」
「新約聖書」日本聖書協会:マタイによる福音書2より
というわけで、何月何日、というはっきりした日は表現されていません。
ルーマニア、ギリシャ、ロシアなどで信仰されている東方教会においては、ユリウス暦という違うカレンダーを使うため、1月7日をキリスト降誕の日として祝います。
そうなんだ…
ではなぜ、12月25日がキリスト降誕の日と定められたのか?
これは実は、あまりはっきりとわかっていません。
一説によると、キリスト教以前に信仰されていた別の宗教の、冬至のお祭りと一致させたのではないかと言われています。
キリスト教が公認されたのは西暦313年、国教化されたのは392年のことだから、それ以前には別の宗教が存在していたのよ
「クリスマス」の語源と意味
イタリア語ではクリスマスを Natale(ナターレ)といいます。
これはラテン語の”diem natālem Chiristi(キリストの生まれた日)“の省略から来ています。
では日本語の「クリスマス」はどこからでしょう?
これは英語のChristmas、(Christ/キリスト+mass/ミサ)から発生したものなんです。
クリスマスイブの由来
日本では特に、カップルの日として認識されているクリスマス「イブ」。
イブは、「前日」という意味ではありません。
語源はこれも英語の「evening」、つまり夜・夕刻を指す言葉です。
そっか、夜って意味なんだー。でも、なんでクリスマス前日の夜にわざわざ名前をつけたの?
これは、古いカレンダーの考え方に由来します。
教会が採用している「教会暦」においては、一日の始まりは午前0時ではなく、日没の時刻。
なので、12月24日の日没から12月25日の日没前までをクリスマスとします。
すると、この一日の中で「夜・夕刻」の時間帯は私たちのカレンダーで言う12月24日の日没~真夜中になります。というわけで、「クリスマス」の「夜」=12月24日の日没~真夜中=12月24日をクリスマス・イブと呼ぼう!となったんですね。
なるほど~!!難しいね~!!
フィレンツェのドゥオモの中には、日没を一日の始まりとしてとらえる時計(パオロ・ウッチェッロ作、1443年)を見ることができるわよ
この時計はドゥオモのファサードの裏側にあり、日没から1時間を示す「Ⅰ」が一番下から始まります。時計の針は反時計回りにまわるシステムです。